研究課題/領域番号 |
16K15979
|
研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
島岡 昌代 畿央大学, 健康科学部, 助手 (30757696)
|
研究分担者 |
山崎 尚美 (平木尚美) 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10425093)
寺田 美和子 畿央大学, 健康科学部, 講師 (20433237) [辞退]
南部 登志江 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (40568391)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 認知症カフェ / 認知症高齢者 / 認知症カフェ運営 / 参加者のニーズ / へき地 |
研究実績の概要 |
本研究では認知症の人とその家族に焦点を当て①認知症カフェに求めるニーズを明らかにし(実態調査)、②認知症カフェをどのように設定すれば認知症の人とその家族が利用しやすい認知症カフェになるか(プログラムの作成)を検討し、③実行可能な「認知症カフェ実践モデル」を開発することを目的としている。 2018年度は、運営プログラム案を用いた認知症カフェの実施を行い、先行の研究成果と前年度の研究結果を合致させた認知症カフェ実践モデル (案)の作成を行うことであった。 運営プログラムを用いた認知症カフェの実施については、奈良県の高齢化が進む山間部で、プレテストとして認知症カフェを1回行った。また、行った認知症カフェの内容から地域住民の認知症カフェに求めるニーズを実態調査し、前年度の全国調査の結果等も踏まえて認知症カフェ実践モデル(案)を作成した。実施については所属している大学の倫理委員会の承認を得て、同じ奈良県のへき地で認知症カフェ実践モデル(案)を使用した認知症カフェを3回行った。実施に際して、地域包括支援センターや在宅介護支援センター、近隣の高齢者福祉施設にも協力依頼をし、高齢者福祉施設の利用者の参加も得られた。実施の際には認知症カフェの参加者にフォーカス・グループインタビューと実施後のアンケートを用いて質的にデータ収集を行った。また、認知症カフェを開始する前と最終回終了後に認知症カフェの参加者に対して高齢者コミュニティエンパワーメント尺度を用いて認知症カフェの満足度について情報収集を行った。これらの内容をまとめたものについては、2019年3月に日本認知症ケア学会教育講演で発表を行った。 国外の認知症カフェの実態把握に関しては、5月に共同研究者がオランダのアルツハイマーカフェを訪問し、「認知症カフェの運営の実際と課題」についてインタビューを実施し、最新の知見を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画を立てた当初は、構築した認知症カフェ実践モデルを実施し、その評価を行う予定であったが、認知症カフェを1度開催して評価するだけでは実施した効果が判断し難いと考えた。そのため、2018年度の1年間で4回シリーズの認知症カフェを企画し、実施することで、参加者にどのような変化が起こったかを経時的に評価するよう計画を修正した。この認知症カフェはすでに終了しているが、収集したデータの分析が不十分であり、2019年度は延長して評価とまとめを行っていく。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度は、実施したへき地における認知症カフェについてのデータ分析と評価を行い、第24回日本老年看護学会学術集会で、「へき地で行った認知症カフェの実践と課題」というタイトルで示説発表を行う。また、認知症カフェ運営に関する実態と課題の全国調査を行った結果を、第20回日本認知症ケア学会大会で示説発表をする予定である。 国外の認知症カフェの実態調査に関しては、オランダのアルツハイマーカフェを訪問した内容をまとめ、畿央大学の紀要に投稿予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
へき地での認知症カフェを2019年度は2回予定しており、認知症カフェ実施にかかる経費80,000円が必要である。また、研究成果を学会で発表する予定にしており、交通費・宿泊費等で60,000円が必要である。
|