| 研究課題/領域番号 |
16K15980
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| 研究機関 | 福岡医療短期大学 |
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研究代表者 |
中園 栄里 福岡医療短期大学, 保健福祉学科, 講師 (10343732)
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| 研究分担者 |
大倉 義文 福岡医療短期大学, 保健福祉学科, 教授 (80352293)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | ビタミンＢ群 / 骨質 / 高齢者 / 定量的超音波法 / 食事指導 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、骨粗鬆症性骨折予防のためのビタミンＢ群（ビタミンB6、B12、葉酸）による骨質低下の制御と音響的骨評価値、骨代謝マーカーおよびホモシステイン濃度などの骨強度規定因子の解析を行うことを目的とする。平成28年度は、①ビタミンＢ群の摂取状況と音響的骨評価値との関連、②ビタミンＢ群摂取状況と10年以内の骨折発生リスクとの関連について横断研究を行った。
対象者（3名：女性）は、平均年齢65.2±2.2歳、身長153.6±3.6 cm、体重46.3±6.2 kgであった。音響的骨評価値は、2.263±0.561であり、同年齢の女性の平均値（2.283）と比較しても差はなかった。簡易型自記式食事歴法質問票によるビタミンＢ群摂取量は、ビタミンＢ6 1.13±0.26 mg/day、ビタミンＢ12 6.2±3.2 microgram/day、葉酸 322±165 microgram/dayであり、平成27年度国民健康・栄養調査の60～69歳女性の平均値と同程度であった。アンケートによる生活習慣調査では、被験者は健康に対する意識が高く、魚介類や野菜類の摂取を積極的に行っていた。この先10年間で当該骨折を起こす危険率を計算するWHO 骨折リスク評価ツールFRAXでは、おもな骨粗鬆症骨折の危険率（脊椎、前腕、股関節部あるいは肩部の臨床的な骨折)は、14.3±1.15％、大腿骨近位部骨折の危険率は、2.63±0.42％であった。被験者は、家族で骨折した人はいるが被験者本人の骨折歴がなく、喫煙・ステロイドの服薬がないため、将来の骨折を起こす危険率が低かったと思われる。
平成29年度は、対象者を増やし、血液検査を行い、さらにビタミンＢ群（ビタミンB6、B12、葉酸）による骨質低下の制御と骨強度規定因子の関連について検討を行う。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度においては、骨強度の測定の超音波骨密度測定装置 AOS-100SA（日立アロカメディカル株式会社）の購入、及び、本研究の倫理審査委員会の審査が必要であった。超音波骨密度測定装置は、前払い支払い請求を申請しないと購入できなかったため、骨強度の測定が予定より遅れ12月以降となった。本研究について倫理審査は、福岡学園倫理審査委員会で承認されたため、研究を行う体制は整ったといえる。
今年度は、対象者の増加（特に要支援・要介護高齢者）と簡易型自記式食事歴法質問票によるビタミンＢ群摂取量の調査を継続して行う。さらに血液検査を行い、血中ビタミンＢ群（ビタミンB6、B12、葉酸）の測定および、血中の骨代謝マーカー（骨吸収マーカーのTRACP-5b・骨形成マーカーのBAP)の測定と骨質低下の指標となるホモシステイン濃度を測定し、血中ビタミンＢ群（ビタミンB6、B12、葉酸）との関連を検討する。またビタミンB12が豊富な「鮭」、葉酸が豊富「枝豆」を6ヶ月間、毎日摂取してもらう介入研究のパイロットスタディを開始し、血中ビタミンB12、葉酸の濃度変化を検討し、音響的骨評価値、骨代謝マーカーおよびホモシステイン濃度などとの関連を評価する。
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| 今後の研究の推進方策 |
対象者の増加（特に要支援・要介護高齢者）については、申請者が所属する福岡医療短期大学を同じキャンパス内にある高齢者介護施設のデイサービスなどを利用している高齢者に協力をお願いする。対象者本人の意思決定能力が欠如（または弱い）場合は同意の判断を代諾者に依頼する。代諾者等の選定は、当該入所施設に申し出ている『キーパーソン』〔本人の意思決定能力が欠如（または弱い）場合に、家族の中で中心となって治療・介護方針等の選択に関与する人物〕とする。対象者が研究期間内に食事摂取が困難となった場合（胃ろう、経腸栄養剤の使用など）および慢性腎臓病、肝硬変などの疾病に罹患した場合は、除外または中止する。
今後は、簡易型自記式食事歴法質問票によるビタミンＢ群摂取量の調査を継続して行うとともに血液検査を行い、血中ビタミンＢ群（ビタミンB6、B12、葉酸）の測定および、血中の骨代謝マーカー（骨吸収マーカーのTRACP-5b・骨形成マーカーのBAP)の測定と骨質低下の指標となるホモシステイン濃度を測定し、血中ビタミンＢ群（ビタミンB6、B12、葉酸）と骨強度規定因子の関連についての検討する横断研究を行う。
さらにビタミンB12が豊富な「鮭」、葉酸が豊富「枝豆」を、毎日摂取してもらう介入研究のパイロットスタディを開始し、3ヶ月後に血中ビタミンB12、葉酸の濃度変化を測定し、6ヶ月目で骨強度規定因子の関連を検討する。先行研究の結果より、ビタミンＢ12 6 microgram/日、葉酸 500 microgram/日以上の摂取が必要と推測している。鮭はビタミンＢ12を 5.9 microgram/100 g、枝豆は、葉酸を310 microgram/100 g含有しているので、鮭は切り身で１切れ、枝豆は300 g以上の摂取できるように、準備していく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
骨強度測定の超音波骨密度測定装置 AOS-100SA（日立アロカメディカル株式会社）は162万円したため、初年度予算の120万円では購入できなかった。骨強度の測定は本研究に不可欠であったため、前払い支払い請求を申請し購入した。
簡易型自記式食事歴法質問票の購入と入力ソフトおよび結果出力・印刷費などの予算で19万円の概算をしていたが、結果出力・印刷費は、質問票を使用した後の実績費用になるため当初の予算が残ってしまった。
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| 次年度使用額の使用計画 |
今年度は、質問票を使用するため結果出力・印刷費は残予算で使用する。また血液検査を行うのでその予算に充てたい。
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