本研究は、骨粗鬆症性骨折予防のためのビタミンB群(ビタミンB6、B12、葉酸)による骨質低下の制御と骨強度規定因子の解析を行うことを目的とした。 平成29年度10月(初回測定)と平成30年度7月(9ヶ月後測定)の2回測定した女性11名を対象に、骨強度、食事摂取頻度調査を行い、ビタミンB群の摂取状況と骨強度規定因子の変化を検討した。超音波骨密度測定装置AOS-100SA(日立アロカメディカル株式会社)を用い、音響的骨評価値(osteosono-assessment index: OSI)、音速(speed of sound: SOS)、超音波減係数(broadband ultrasound attenuation: BUA)で評価した。初回測定後にビタミンB群が多く含まれている食品と料理法を記載した小冊子を配布し、食事に取り入れるように指導した。小冊子の利用をアンケート調査し、ほぼ毎日利用した・週に3回以上利用したと答えた女性6名を介入群とし、週に2回以上利用した・あまり利用しなかったと答えた女性5名をコントロール群とした。 初回測定時の年齢は、コントロール群77.1±4.8歳、介入群77.0±4.8歳で差はなかった。初回測定時と9ヶ月後測定の身長、体重に2群間の差はなかった。初回測定OSIと9ヶ月後測定OSIを比較すると、コントロール群では減少していたが、介入群は変わらなかった。9ヶ月後測定時のビタミンB6、B12、葉酸の摂取量は、介入群が有意に多かった。ビタミンB6、B12の摂取量は、SOSとの関連は見られなかったが、OSI、BUAとは正の相関があった。 介入群は、コントロール群に比べOSIが維持されていた。ビタミンB6、B12摂取が要因と示唆された。
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