研究課題/領域番号 |
16K15981
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
山岸 里美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他, 助教 (50736957)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護学 / 独居高齢者 / 緊急通報システム |
研究実績の概要 |
独居高齢者は、救急搬送が必要な状態になっても、緊急時通報システム(以下、通報システム)を使用していない現状がある。この問題に対して申請者は、平成26年度より質的研究を行い、介入すべき問題点の概要を明らかにしているところである。自治体は、孤独死防止対策の中心的役割を担い、高齢者福祉施策として通報システム導入の推進を図っているが、この自治体こそ、「通報システムが設置されていても、独居高齢者は助けを呼べない・呼ばない現状にある」実態について問題を把握し、高齢者の自助力を支援する施策について具体的に検討する必要がある。本研究は「緊急時に独居高齢者が自助できる自治体モデルを構築する」ことを目的としている。 平成28~29年度は、都内23区の独居高齢者を対象に、「助けを呼べない・呼ばない現状」に関するデータを得るために、これまでの質的研究から発展させた自記式質問用紙を用い、介入すべき問題点について、統計学的分析にて詳細を明らかにする予定である。平成28年度は、都内で協力の得られた3つの区役所より、本研究の対象者に該当する独居高齢者1000名へアンケート調査用紙を送付してもらった。回答数は502件であった。現在は、得られた回答のデータ入力を行っている段階である。今年度は、得られたデータを統計学的に分析し、通報システム機設置場所の物理的問題や、使用要領に関する知識不足の他、躊躇や遠慮などの心理的側面の詳細を明らかにする計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査によるデータ収集は終了した。データ入力が終わり次第、統計学的分析に入ることができる。今年度の目標としている以下3つの点について、つまり、①通報システム機設置場所の物理的問題、②使用要領に関する知識不足、③躊躇や遠慮などの心理的側面の詳細 については今年度上旬までに明らかにできると予測されるため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度下旬には、得られた結果と介入すべき問題点について、協力の得られた区ごと、個別に結果報告を行う。今年度は、孤独死防止の視点から、通報システムを使用出来ない自助の問題点を解決する施策を、高齢者福祉対策課の担当者と考案し明文化するところまでを計画する。 来年度は、明文化された改善施策案を集め、緊急時に独居高齢者が自助できる自治体モデルとして集約し、23区へフィードバックする。他区を参考にして更なる改善の余地がないか、各区で再検討してもらい、自治体モデルの概成とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ入力の委託料金として計上していたが、入力業者との契約が年度末になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
データ入力委託料金として使用する計画である。
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