研究課題/領域番号 |
16K15983
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
森 淑江 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (90150846)
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研究分担者 |
亀ヶ谷 忠彦 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (90455949)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | NCDs / 糖尿病 / 運動 / 音楽 / 文化 / 習慣 / 予防 / コミュニティ |
研究実績の概要 |
研究2年目の平成29年度は主にトンガより持ち帰った文書、観察記録及び面接記録、音楽CD等の資料及びトンガで活動した青年海外協力隊員の中で、エアロビクス、音楽、体育、看護師等の報告書の分析を行った。 トンガの伝統文化が比較的残っているエウア島の青年海外協力隊員6名の面接記録をもとにKJ法を用いてエウア島の文化と人々の健康、医療について分析し、9つのグループが抽出され、各グループの相関関係を考慮してA型図解を作成した。その結果、昔ながらの農耕社会に生活している人々の気ままな暮らし、そこにひそむ健康上のリスク、コミュニティの個人の行動への影響、子どもの教育への考え方、楽しく踊ることを好む傾向、普通に暮らしていても健康を維持できていること等が明らかとなった。さらに、エウア島には西洋的な医療サービスが普及している一方、NCDs(非感染性疾患)の効果的な対策はなされていないことが把握された。 トンガではズンバと呼ばれる軽快な音楽に合わせて自分たちの振り付けで踊る踊りが好まれているが、音楽CDで確認したどの曲も大きな差はなく、運動プログラムのために選択する音楽についてはどれも利用可能と考えられた。 また日本のラジオ体操を普及させようとする動きがあること、しかしそれはあまり効果をあげていないことが面接及び観察記録、報告書類から推測された。日本人が作成して普及を試みた音楽付きの運動の存在が報告書により明らかとなり、今後のプログラム作成の検討材料となりうると判断された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に予定していた現地調査が予定より6か月間遅れた影響を受け、調査結果の分析に時間がかかったこと、また現地で協力を得ていた日本人が帰国し、後任者との連絡調整に時間がかかり、次の段階への移行が遅れたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
面接結果及び入手した書類や音楽CD等の分析とすでに青年海外協力隊員によって作成されて試みられた運動プログラムをもとにトンガの音楽を用いた運動プログラムを作成し、有効性についての評価指標を検討する。摂食を試みている日本国内のトンガ人及びトンガでの滞在経験者と現地の日本人への協力を求めてプログラムと評価指標を作成する。これらをもってトンガでの2回目の現地調査を実施し、効果を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
トンガでの現地調査を予定していたが、初年度の現地調査時期が予定より半年遅れて調査結果の分析期間が後ろにずれ込み、2回目の現地調査準備が遅れ気味となり、現地での協力者の交代もあり、現地調査が実施できなかった。そのために次年度使用額が生じた。
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