本研究は、「青年期女性のやせ」問題について、「ポジティブ・デビアンス(Positive Deviance:PD,以下PDと略す)」の考え方を用いて解決策を見出すことを目的としている。これまで、質問紙調査と身体測定の結果から「PD」ケースを抽出し、それらを対象にインタビュー調査を実施し「PD」行動の分析を行った。分析の結果、「PD行動」として、意識的または無意識に日々の行動の中で身体を動かすことや、テレビ視聴の合間や入浴後など短時間のストレッチや筋肉トレーニングを行っていることが確認できた。これらの結果をもとに今年度は、昨年に引き続き小集団に介入プログラムを実施するための準備を行った。特に、介入プログラムを評価するための具体的な研究実施に向けて身体活動量を評価する測定に使用する活動量計の検討を中心に調査に必要な物品等の準備を行った。身体活動量の評価に使用する活動量計について、当初使用予定であった腰部に装着するタイプでは階段昇降や上肢主体の運動をしているとき等に活動強度を正しく評価できないとの報告がみられたことに加え、実際に装着して試した際に、着替え等で外した後に装着し忘れるといったことがあった。このことから、介入プログラムで使用する活動量計の選定を再度検討した。検討の結果、手首に装着するタイプであるfitbit Charge3を採用することとし介入プログラムへの準備を整えた。また、所属機関および研究協力施設での倫理審査申請書の作成を行った。
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