研究課題/領域番号 |
16K15997
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
小松 雅代 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80726315)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | レスパイトケア / 難病患者 / 家族介護者 / 国際生活機能分類(ICF) / 介護支援専門員 / 環境因子 / アセスメント |
研究実績の概要 |
本研究は、国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)を用いて、神経・筋疾患難病患者(難病患者)の家族介護者に対するレスパイトケア(休息的ケア)に関する観察基準を明らかにし、介護支援専門員等が使用できるレスパイトケアの指標(パス)を作成することを目的としている。平成28年度は次の通り実施した。 1 平成27年度実施の予備調査の結果解析 奈良県内A市を対象に、介護支援専門員および高齢者施設長を対象に実施した予備調査のデータ解析を実施した(回収率39.7%)。難病患者のレスパイトケアの調整をしたことがある介護支援専門員は全体の36.7%で、調整した難病の上位5疾患は脊髄小脳変性症、パーキンソン病関連疾患群を代表とする神経・筋系疾患であった。レスパイトケアを調整する際に介護支援専門員が困難と感じる項目の上位は、患者の疾患や病状、医療依存度、精神面、金銭面であった。一方、家族介護者についての項目(疾患や病状、精神面等)は低率であった。また、介護支援専門員が家族介護者のレスパイトケアについてアセスメントする際は、自己の経験値に基づく主観的判断のみが64.2%を占めた。家族介護者のレスパイトケアを念頭に置いたアセスメントをICFの構成要素を基準項目とした場合、家族介護者の生活領域や環境因子に関する項目の実施割合は低かった。これらの結果から、レスパイトケアを検討する際は、患者のみならず家族介護者に対しても適切なアセスメントの項目や方法を確立することが求められると示唆された。 2 情報収集と現状把握 難病患者と家族介護者に関する文献検索、情報収集を実施し、ヒアリング調査および調査票の作成準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備調査のデータ分析より、介護支援専門員・高齢者施設長のレスパイトケアに対する現状を把握することができた。しかし、その分析に時間を要したため、ヒアリング調査が未実施である。
|
今後の研究の推進方策 |
予備調査の結果分析を完成させ、因子分析の結果をICFに関する専門研究者、統計学専門研究者へ報告・相談し、助言を得て、分析結果の評価検討を実施する予定である。その後、ヒアリング調査を実施し、調査票を作成予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ヒアリング調査が未実施のため、人件費が未使用となった。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度中にヒアリング調査を行うため、その際の謝金およびデータ入力等の人件費を使用予定としている。
|