研究課題/領域番号 |
16K15998
|
研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
村嶋 幸代 大分県立看護科学大学, 看護学部, 学長 (60123204)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 修士課程保健師教育 / 公衆衛生大学院 / 保健医療科学院 |
研究実績の概要 |
1.国立保健医療科学院との連携可能性についての検討:国立保健医療科学院(全国の保健、医療、福祉に関係する職員などの教育訓練や、それらに関連する調査及び研究を行う機関として設置)における研修等の活用を含め、連携可能性について検討した。既に、科学院の研修は、いくつかのSPH(公衆衛生大学院)や、ある大学における管理栄養士の修士課程院生には道が開かれていることが分かった。このため、修士課程の保健師教育について検討した結果、中堅に向けた保健師の能力育成という点では、【短期研修】3.公衆衛生看護研修(中堅期)が適当と考えられた。保健医療科学院では、各論も充実している。例えば、エイズ・難病等遠方の大学院では難しく、遠隔教育が一層充実されることが期待される。 2.公衆衛生大学院との連携:各大学院のプログラムを取り寄せ、比較し、意見交換に必要な情報整理を行った。これにより、保健師教育の大学院修士課程、即ち、公衆衛生看護学を基盤とした教育と、公衆衛生大学院でのスタンスの違いも明らかになった。そこで、保健師の修士課程同士で補い合うことができないかと考え、修士課程保健師の集まりを開催した。 3.修士課程保健師教育を実施している大学院同士の交流会の開催:日本地域看護学会第20回学術集会において修士課程保健師の集まりを開催した。ディスカッションの中で、保健師課程で身についた力として①エビデンスを持って活動を展開する力、②地域に深く入り込む力、③住民の力を引き出す能力、④必要性を訴えるためのプレゼン力、⑤優先順位を考える力などが提示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.国立保健医療科学院との連携可能性についての検討:国立保健医療科学院(全国の保健、医療、福祉に関係する職員などの教育訓練や、それらに関連する調査及び研究を行う機関として設置)における研修等の活用を含め、連携可能性について検討した。修士課程の保健師教育について検討した結果、中堅に向けた保健師の能力育成という点では、【短期研修】3.公衆衛生看護研修(中堅期)が適当と考えられたが、現時点では、遠方の大学院では活用がかなり難しいという結論に達した。 2.公衆衛生大学院との連携:各大学院のプログラムを取り寄せ、比較し、意見交換に必要な情報整理を行った。その過程で、保健師教育の大学院修士課程、即ち、公衆衛生看護学を基盤とした教育と、公衆衛生大学院でのスタンスの違いも明らかになった。前者が「個人」と「集団・社会」との関係を重視するのに対し、後者が「社会」の観点から発想する点である。後者では、大量データを扱う過程で、どうしても「個人」に寄りそう視点が欠落しがちであり、公衆衛生看護学の教育課程としては限界が大きいことが明らかとなった。 3.修士課程保健師教育を実施している大学院生同士の交流会の開催:日本地域看護学会第20回学術集会において修士課程の保健師教育課程の集まりを開催した。交流会への参加者は約60名であり、ディスカッションの中で、保健師課程で身についた力として5つの力などが提示された。
|
今後の研究の推進方策 |
1.国立保健医療科学院との連携:【短期研修】3.公衆衛生看護研修(中堅期)について、遠方の大学院での活用方法を含めて検討する。
2.公衆衛生大学院との連携:相互交流を推進していくために単位互換等を考慮する。
3.修士課程で保健師教育を実施している大学院同士の交流会の開催:引き続き交流会を開催し、大学院教育を受ける保健師学生の全国ネットワークを構築する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
<理由> 人件費として予算を組み込んでいたが、平成29年度はアルバイト雇用などの人件費として使用しなかったためである。 <使用計画> 平成30年度は完成年度であるため、研究をまとめていくための予算としていく予定である。
|