研究課題/領域番号 |
16K16018
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
姫野 哲人 滋賀大学, データサイエンス学部, 准教授 (40452734)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 漸近理論 / 高次元データ / ノンパラメトリック |
研究実績の概要 |
本研究課題では、様々な分野で扱われるようになってきたビッグデータの解析のため、高次元データに対するノンパラメトリックな手法(データの分布を仮定せずに様々な判断を行う手法)の開発を行うことを目的としている。本年度は主に以下の研究を行った。 1.一般的な手法(ノンパラメトリックな手法)の開発に取り掛かる前段階として、線形判別分析の効果を事前に知るための指標(対数オッズ)について、パラメトリックな条件(データの分布が正規分布であるという仮定の下での手法)の下での漸近的推定に関する共同研究を行った。通常、判別分析の効果を調べるには、機械学習的な方法(教師データとテストデータを使った評価)が取られるが、本手法を用いることで現在の標本から効果的な判別ルールを作ることができるかどうかが判断できるようになる。 2.高次元データについて、その分布が正規分布に従っているか否かを判断することは難しく、その手法もほとんど提案されていない。そこで、標本の分布の歪みに注目し、歪みがあれば正規分布ではないと判断する新たな分析手法に関する研究を行った。 3.これまで、繰り返しデータに対するノンパラメトリックな検定手法の研究を行ってきたが、一般的な線形モデルへの拡張の理論的考察を終え、論文作成の準備を行っている。提案手法の様々な応用事例も見つかっている。本手法は、統計的検定のみならず、高次元データの様々なパラメータ推定にも役立つことが期待される。 また、2017年度は関連論文2件が出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論的な研究の完了目途が立ったが、論文作成の準備が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでにまとめた内容をいくつかの論文にまとめ、今年度中(早い時期)の投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度までの研究の状況として、論文作成及び研究発表が遅れているため、その部分の費用が使用できていない。本年度は、論文作成及び研究発表に重点を置き、経費の使用を実施していく。
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