研究課題/領域番号 |
16K16028
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
多和田 雅師 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (80754887)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 不揮発性メモリ / 多値セル / 書き込み削減符号 / セルレベル書き込み削減 |
研究実績の概要 |
不揮発性メモリは書き込みエネルギーが大きい,書き込み耐性が低いといった問題がある.不揮発性メモリに保存する情報を符号化して書き込むことで書き込み量を削減することができる.多値セル不揮発性メモリでは,ビットレベルではなくセルレベルで書き込み量を削減する必要がある.本研究は効率よくマルチレベルセル不揮発性メモリの書き込み量を削減することを目標とする.リードソロモン符号を書き込み削減符号に変換する手法を提案しマルチレベルセル不揮発性メモリの書き込み量を削減した.セルの書き込み量の指標にはセルハミング距離を用いた.リードソロモン符号は複数ビットを1シンボルとしてまとめて扱うシンボル単位での誤り訂正符号である.リードソロモン符号の符号語同士はシンボル単位でのハミング距離が大きく,そのため誤り訂正が可能となる.リードソロモン符号の誤り語を考えるとき,その誤り語は訂正されるべき符号語と誤りベクトルによって構成されていると考えることができる.ここで誤りベクトルに情報を割り当てた新しい符号を構築する.任意の語から特定の誤りベクトルを持つ誤り語へのシンボル単位でのハミング距離を小さくすることで,この符号によるマルチレベルセル不揮発性メモリの書き込み量を削減できる.シンボル単位で誤り訂正する性質をセル単位で情報書き込みをする性質に変換することで,無駄なくセル書き込み量を削減を達成できた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画に従い研究を推進した. 対象モデル/評価式の作成としてセルハミング距離を用いた. 符号理論による演繹的視点としてシンボル誤り訂正符号に基づくから書き込み削減に着目した. 計算機による帰納的視点としてメモリに書き込む情報に対し効率良くリードソロモン符号の誤りベクトルを割り当てを達成した.
|
今後の研究の推進方策 |
前年度のアプローチを踏襲しより効率的な符号構成を研究するとともに,メモリ書き込みのための周辺回路設計手法について研究する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度成果の発表が翌年度に繰り越したため.
|
次年度使用額の使用計画 |
翌年度にある国際会議で当該年度成果発表に使用する.
|