研究実績の概要 |
不揮発性メモリは不揮発性などの長所がある一方で,書き込みエネルギーが大きいことや書き込み耐性が低いことなどの短所がある. この短所に対し, 不揮発性メモリ内に書き込む情報を符号化することで書き込みの総量を減らす手法が存在する. 書き込み量をビットレベルで最小化する手法は既に提案されているが, 多値メモリでは書き込み量をセルレベルで考慮する必要がある. 平成29年度ではワーストケースでもセルレベルで書き込み総量を最小化できるメモリ符号化技術の実装を提案した. 各メモリセルの状態を1シンボルとみなし, 1ワードを表す線形空間を考える. ハミング重みが1以下となるワードから部分空間を作成し, 線形空間全体を部分空間とその商空間に分ける. 部分空間の要素と情報源を対応させる. 線形空間全体は部分空間と商空間の直積で表現されるため, その線形空間上のワードは部分空間との対応付けにより一意に情報源に復号できる. この符号化により情報に対しどんな情報に対してもその書き込み量が1ワードあたり1セルになるように線形符号を構築できる. セル長に対して最適な書き込み量削減を達成した.
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