研究課題
本年度(平成29年度)は、デジタルRF受信機を構成する次の要素回路と補正技術を開発した。1) バックゲート電圧制御発振器(VCO)を用いたA/D変換器(VCOベースADC):バックゲートVCOを用いたADCをSOTB 65nm CMOSプロセスで設計した。シミュレーションより800 MS/s時に消費電力が8.1 mWでSNRが59.7 dBとなり、これまでのVCO ADCよりも高いFoM(153.6 dB)を得た。2) VCOベースADCから生じる3次高調波の低減技術:デシメーションフィルタ・係数乗算器・加算器を用いた低減機構をMATLAB上で構築した。さらに、乗算器に用いている係数を自動で更新する方法を実装し、3次高調波を40 dB以上低減した。3) 時間インタリーブA/D変換器(TI-ADC)の不要波の低減技術:各A/D変換器の特性ミスマッチよる不要波を自動で低減する回路を開発した。市販のTI-ADCの出力スペクトラムのデータとFPGA上に実装した低減回路により不要波をノイズフロア以下に低減できることを示した。4) 帯域外妨害波を除去する低雑音増幅器(LNA):妨害波(ADCのサンプリング周波数fsの3/4)を除去する差動LNAをSOTB 65nm CMOSプロセスを用いて作製した。LNA内部にノッチフィルタを設けることで、その妨害波の減衰量を6.7 dB向上できることを実測で示した。これらの研究成果を査読付き国際会議で論文(3件)として発表し、さらに国内の学会でも報告(7件)した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
Proc. 24th IEEE International Conference on Electronics, Circuits and Systems (ICECS)
巻: 24 ページ: 9-12
10.1109/ICECS.2017.8292022
Proc. 2017 IEEE Asia Pacific Microwave Conference (APMC2017)
巻: 29 ページ: 946-948
10.1109/APMC.2017.8251606
Proc. IEEE International Symposium on Circuits and Systems Conference (ISCAS)
巻: 49 ページ: 1-4
10.1109/ISCAS.2017.8050937
http://www.oit.ac.jp/www-ee/server/iclab/