研究課題/領域番号 |
16K16042
|
研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
川喜田 佑介 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (30468540)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ユビキタスコンピューティング |
研究実績の概要 |
本研究では、ブラインドスペクトラムセンシングと無線規格判別を行うことで、不特定多数の無線信号を含む広帯域を対象とした探索的なデータ解析をクラウドプラットフォーム上で実行できる情報基盤の実現を目指した。具体的には、スペクトラムセンシングをクラウドプラットフォーム上で実行するためスケールアウト可能とすること、無線規格に依存しない特徴量による無線規格判別を可能とすること、クラウドプラットフォーム上で無線信号処理を実行するため、信号処理統合環境のユーザインタフェースおよびデータ管理機構を処理主体から分離し動的構成変更可能にすることを課題として取り組んだ。無線規格に依存しない特徴量による無線規格判別については、以前に提案した無線信号のスペクトログラム特徴量を用いる無線規格判別についての特徴量の正規化手法を提案し、従来の方法の識別精度と比較して類似した特徴を持つ無線規格の識別性能を改善することを示した。本成果についてSICE Journal of Control, Measurement, and System Integrationに採録が決定した。ユーザインタフェース分離と動的構成変更について、代表的なオープンソース無線開発環境であるGNURadioおよびGNURadioCompanionの改修を行い、ユーザインタフェースとデータ管理を分離することによって、不特定多数のユーザが利用できるソフトウェア無線開発環境を実装した。加えて、ソフトウェア無線アプリケーションにはタスク並列分散コンピューティングを使用しました。実装の互換性とシステム応答時間を評価した。本成果については、IPSJ Journal of Information Processingに採録された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度で取り組んだ3つの研究課題のうち、スペクトログラム特徴量による無線規格判別、および、ユーザインタフェース分離と動的構成変更の2つについて、それぞれ査読付き論文誌に採録されるか採録が決定したため、おおむね順調に進展しているものとした。
|
今後の研究の推進方策 |
無線規格判別については、対象とした無線規格数や信号源数について、研究開始時点で明確でなかった定量的な目標が国内外で議論されるようになっている。これらの動向について調査を進めつつ、十分な無線規格数や信号源数を扱えるように手法を改良することを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属機関の変更に伴い、その着任に伴う業務対応に多くの稼働を必要とした。限られた稼働を論文投稿、および、その査読対応に充てたため、当初計画が遅延し予算執行も滞った。なお、今年度の成果として、査読付き論文2編の採録が決定した。未使用額の一部はこの論文掲載料に充てることとした。
|