研究実績の概要 |
近年、携帯電話などの無線局の急速な増加や無線通信の高速化に伴い、周波数の需要が増大しており、周波数を効率的に利用する技術、周波数の共同利用を促進する技術又は高い周波数への移行を促進する技術が求められている。本研究では、ブラインドスペクトラムセンシングと無線規格判別を行うことで、不特定多数の無線信号を含む広帯域を対象とした探索的なデータ解析をクラウドプラットフォーム上で実行できる情報基盤の実現を目指した。具体的には、スペクトラムセンシングをクラウドプラットフォーム上で実行するためスケールアウト可能とすること、無線規格に依存しない特徴量による無線規格判別を可能とすること、クラウドプラットフォーム上で無線信号処理を実行するため、信号処理統合環境のユーザインタフェースおよびデータ管理機構を処理主体から分離し動的構成変更可能にすることを課題として取り組んだ。当該年度では、コグニティブ無線を用いた周波数共用環境における干渉回避のための無線アクセス技術の識別に注力した。無線規格の多様化に対応するためオンライン学習を利用し、類似した特徴を持つ無線規格の識別精度を向上させるために先に提案したスペクトログラム特徴量の正規化する手法を提案した。SCWオンライン学習アルゴリズムを用いて作成した提案手法の無線規格分類器について、ROC曲線と識別精度を評価し、提案手法は従来手法の識別精度に比べて識別性能が向上したこと、オンライン学習アルゴリズムはバッチ学習と同等の識別性能を持つことから、新しい無線規格 への適応が容易であるという特性を有していることを示した。本成果については、SICE Journal of Control, Measurement, and System Integrationに採録された。
|