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2016 年度 実施状況報告書

マルコフ確率場にもとづくクラウドデータセンタの異常検知

研究課題

研究課題/領域番号 16K16047
研究機関大阪大学

研究代表者

鮫島 正樹  大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80564690)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードクラウドコンピューティング / データセンタ / 異常検知
研究実績の概要

平成28年度は,サーバの異常検知を行うためのリソース使用量のモデル化に取り組んだ.まずは,リソース使用量の時系列性を考慮した自己回帰モデルを,リソース使用量の傾向に応じて複数構築する問題に取り組んだ.リソース使用量の傾向がマルコフ過程に従って遷移すると考え,マルコフ転換モデルにもとづくモデル化手法を提案した.また,サーバ間のリソース使用量の相関に着目し,あるサーバのリソース使用量を他のサーバのリソース使用量の条件付分布としてモデル化する方法を提案した.提案方式では,事前に確率的主成分分析を適用し,条件付分布のパラメータをGraphical Lassoによって推定する.マルコフ転換モデルによるリソース使用量のモデル化の有効性を確認するため,Social Networking Serviceのベンチマークソフトウェアをサーバ上で実行し,実際のCPU使用率を収集した.その結果,実際に観測したCPU使用率が,マルコフ転換モデルによって精度よくモデル化されていることを確認した.また,条件付分布による異常検知の精度を評価するため,クラウドデータセンタのシミュレータから得られたCPU使用率や,インターネット上のネットワークトラヒックに関するデータセットを用い,疑似的に生成した異常を検知する実験を行った.実験の結果,提案方式によって異常検知の精度が改善していることを確認した.また,Graphical Lassoによって推定されたパラメータから,相関のあるサーバ同士が認識されていることを確認し,提案方式の妥当性を検証した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度に予定していたサーバのリソース使用量のモデル化を行った.翌年度に予定していた異常検知についても部分的に実装し,精度が良くなる見込みを得られていることから,順調に進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

当初の研究計画に沿って,リソース使用量モデルを用いた異常検知技術の開発を行う.まずは研究成果として得られた,マルコフ過程と条件付分布それぞれを用いた2種類のリソース使用量モデルを統合的に扱う手法を開発する.具体的には,定常性を仮定した条件付分布がマルコフ過程に従うようなモデルを考える.検知対象の異常として,ある時刻のリソース使用量のみに生じる異常だけでなく,リソース使用量間の相関に生じる異常など,一般的に検知が困難な異常にも焦点を当て,異常検知の手法を評価する予定である.

次年度使用額が生じた理由

洋書の書籍の納期が長く,今年度に間に合わなかったため.

次年度使用額の使用計画

当初予定通り書籍の購入に充て,購入は次年度4月を予定する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マルコフ転換モデルによるクラウドサービスのリソース使用量分析2016

    • 著者名/発表者名
      鮫島正樹
    • 学会等名
      電気学会 情報システム研究会, IS-16-013, pp.7-11
    • 発表場所
      はこだて未来大学,北海道函館市
    • 年月日
      2016-08-02 – 2016-08-03

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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