研究課題
本研究は,WiFiが普及した屋内環境においてセンサノードを置くだけで測位が可能となるセンサ測位システムを実現することを目的としている.センサノードはIEEE 802.15.4ノードモジュールを搭載しており,WiFi(IEEE 802.11)信号を検出することはできない.このため,平成28年度はセンサノードにおいてWiFi APの信号をAPを識別しながら検出し,その信号強度(RSS)を測定する手法に関して主に研究開発を行った.WiFi APが送信しているビーコン信号の周期性を利用してセンサノード上でWiFi APの信号を検出する手法を開発した.開発したAP信号検出手法を用いてAPのRSSを測定し,フィンガープリント法による測位システムを構築した結果,測位精度7.40mで測位できることを確認した.平成29年度はWiFiとセンサノードで観測したRSSのオフセットの影響を軽減して測位を行うことで精度を向上させる手法を中心に研究開発を行った.最低でも20MHzの帯域幅を持つWiFiに対し,センサノードで使用しているIEEE 802.15.4の帯域幅は2MHzと非常に狭い.センサノードではWiFi信号の一部分のみしか観測できないため,観測RSSには誤差が含まれる.この影響を軽減するために,RSSの差に着目した差分フィンガープリント法を新たに開発した.実証評価を行った結果,差分方式を用いない場合と比べて測位精度を約26%向上できることを確認した.本研究によって研究目的に掲げた「センサノードを置くだけで測位ができる屋内測位システム」の実現に向けた基盤技術を概ね整えることができたと言える.
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