研究課題/領域番号 |
16K16049
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
久保 亮吾 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (00582199)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | ネットワーク化制御 / スマートコミュニティ / 光アクセス / IoT / サイバーフィジカルシステム / 通信品質 |
研究実績の概要 |
複数のセンサ・アクチュエータ機器をネットワーク化し、連携させることで、制御機能の集約や負荷の最適配分等の効率化が期待できる。しかしながら、リアルタイム性を有する産業用Ethernet等は比較的近距離の通信を対象としており、ネットワーク化可能な範囲が限定される上に、リアルタイム性を追求するためスリープ機能等による省電力化が難しいという課題がある。低消費電力かつ低遅延な光アクセス技術および光アクセス装置を介した高精度の計測制御技術の確立を目指し、本年度においては以下のような研究成果を得た。1. 低消費電力光アクセスネットワークを介したアクチュエータ制御法としてバースト送信を用いた手法を提案し、シミュレーションにより提案手法の有効性を確認した。2. 多量のセンサ端末がネットワークに接続された場合を想定し、TCP通信の効率化を図るためのキュー管理手法を提案し、シミュレーションにより提案手法の有効性を確認した。3. ネットワーク化制御システムにおけるサイバーセキュリティの問題について課題抽出を行い、オブザーバ技術によりセンサ信号の改ざんを検知する手法を提案した。以上のように、本年度は低消費電力光アクセスネットワークを対象としつつも様々なネットワーク環境に適用可能な通信方式および制御技術について低消費電力化、低遅延化、サイバーセキュリティの観点から研究開発を進めた。今後は、現在構築を進めているセンサ・アクチュエータネットワークシステムを用いて実機実証を行うとともに、国際会議および学術雑誌において成果発表を行っていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である光アクセス技術を利用したネットワーク化制御システムを対象としつつも様々なネットワーク環境に適用可能な通信方式および制御技術について低消費電力化、低遅延化、サイバーセキュリティの観点から研究開発を進めることができた。特に制御システムのサイバーセキュリティは近年注目を浴びている分野であり、当初計画に加えて追加項目として実施している。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度はシミュレーションを中心として研究を行ったが、実機検証の準備が整いつつあるため、次年度は実験を中心として研究を進めて行く。また、国際会議および学術雑誌への投稿を積極的に行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度はシミュレーションを中心として研究を進め、物品費の支出が予定を下回ったため次年度使用額が生じた。一方で、シミュレーション検討により予定を上回る成果が得られたため、成果発表予算として次年度に活用する。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額については、本年度得られた研究成果を次年度の国際会議で発表するための旅費として使用する。
|