研究課題/領域番号 |
16K16052
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
山中 広明 国立研究開発法人情報通信研究機構, 総合テストベッド研究開発推進センターテストベッド研究開発運用室, 研究員 (60614518)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | フローエントリ数削減 / 制御メッセージ削減 / 細粒度ネットワーク資源管理 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、software-defined networking (SDN)による、IoTセンサトラフィックに対する制御方式の検討、基礎的な評価を行った。具体的には、1)ネットワークに接続しているIoTセンサデバイスの帯域需要予測、2)デバイス通信時刻予測手法、3)パス割当ておよびフローエントリ設定手法をSDNのシステムを用いて実現する手法を検討、シミュレーションによる評価を行った。1)帯域需要予測および2)デバイス通信時刻予測は、SDNの制御メッセージを用いたトラフィックの監視により実現する。3)パス割当ては、ネットワーク上の現状の空き帯域に基づき、オンラインで計算を行う。ネットワークには、膨大な数のIoTセンサトラフィックが接続しているため、SDNによるグローバルな帯域割り当てを行う場合、制御メッセージ数の膨大化によるコントローラへの負荷や、ネットワーク上のスイッチの容量を超える多数のフローエントリの発生が問題になる。そこで、検討した制御方式では、特に、計算したパスの重複区間を考慮することで、ネットワーク上のスイッチに設定されるフローエントリ数および制御メッセージ数を削減した。シミュレーション評価により、SDNを用いてIoTセンサトラフィック制御を行う従来手法より、大幅な削減を確認した。同時に、帯域資源の利用効率性についても、従来手法と同等であることを確認した。これにより、従来手法より、IoTセンサトラフィックに対するトラフィックエンジニアリング方式のコストパフォーマンスを向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画において、本年度の取り組む項目として挙げていた、1)ネットワークに接続しているIoTセンサデバイスの帯域需要予測、2)デバイス通信時刻予測手法、3)パス割当ておよびフローエントリ設定手法について、方式検討および基礎的な評価を実施した。以上のことから、本年度は当初予定通りの項目を実施しており、概ね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、当初計画通り、4)アーキテクチャの設計、5)実機を用いた有効性評価を実施する。4)アーキテクチャ設計では、特にIoTデバイスの帯域需要予測のためのSDN制御メッセージに着目する。制御メッセージ数は、IoTデバイス数に対して線形的に増加する。そこで、IoTデバイス数に対するスケーラビリティ向上のため、分散アーキテクチャの設計、シミュレーションによるスケーラビリティ評価、オープンソースのSDNコントローラプラットフォームを用いてプロトタイプ実装を行う。5)実機を用いた有効性評価では、実装したプロトタイプを用いて、ベンチマーク評価、エンドユーザの実際の通信に及ぼす遅延などの影響について評価する。 同時に、平成28年度に実施した、IoTセンサトラフィックに対する制御方式も含めて、平成29年度成果と共に、国際会議やジャーナルでの積極的な報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
提案手法の基礎的な評価は行ったが、より網羅的な評価を行うため時間を費やした。このため、当初予定していた国際会議での発表を次年度に延期したことにより、旅費に未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度予定しているアーキテクチャ設計に基づき、実機を用いた評価を行う。このため、研究設備の拡張を行う。また、次年度の評価結果、および今年度行った評価結果を基に、国際会議や論文誌への投稿を行うため、成果報告旅費や投稿料に使用する計画である。
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