研究課題/領域番号 |
16K16054
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
李 睿棟 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワークシステム研究所ネットワーク基盤研究室, 研究員 (40536083)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Content Centric Network / Internet of Things / Many-to-many / Security / Access control / CP-ABE |
研究実績の概要 |
課題1:効率的な情報流通の研究。情報セントリックネットワーキング技術を利用し、効率的な多対多データ取得と転送の実現可能性を調べ、新たな多対多通信アルゴリズムを設計し、ルートデバイスの置き場所と数から多対多通信性能への影響を調べた上で、計算量の少ない最適化されたルート選択アルゴリズムを提案した。シミュレーションで性能評価を行い、提案アルゴリズムにより、トラフィックを低減できることを示した。 課題2:分散的セキュアデータ取得の研究。センサーデータをネットワーク内で遍在的にキャシングを行うIoT環境では、データの分散アクセス制御が大変困難になる。この問題を解決するため、これまでの認証と暗号技術を調査しつつ、分散的データ取得に対する脅威分析を行い、CP-ABEを用い、分散的にキャッシュされたIoTデータを許可されたユーザーのみが収得できるようにする新しい分散型パブリッシャー駆動セキュアデータ共有スキーム(DPD-ICIoT)を提案した。DPD-ICIoTでは、属性マニフェストが新規に導入されるとともに、ネットワークにキャッシュされ、パブリッシャーは集中的な属性サーバではなく近くにあるデバイスから属性値を取得できるようになる。更に、効率的な暗号操作のためにキーチェーン機構が利用されており、属性値自動更新メカニズムを提案することにより、集中サーバに問い合わせることなく属性の高速更新も可能にする。モデリング技術にて、提案したスキームにより、バンド幅の利用量を低減できることを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
課題1最適化されたルート選択アルゴリズムを提案した。シミュレーションで性能評価を行い、提案アルゴリズムにより、トラフィックを低減できることを示した。課題2新しい分散型パブリッシャー駆動セキュアデータ共有スキーム(DPD-ICIoT)を提案した。モデリング技術にて、提案したスキームにより、バンド幅の利用量を低減できることを検証した。 初年度にも関わらず、誌上論文1本、国際会議論文1本、国内学会論文1本を発表し、目標達成に向けて順調に進展し、特に完成度高いIoT環境での分散型アクセス制御方式を提案・検証済で、予想以上である。 そして、この一年に世界で有名な大学の研究者たち(ドイツのUniversity of Gottingen、米国のUCLAとTemple UniversityとUniversity of Alabama)と国際交流と打ち合わせを積極的に行った。
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今後の研究の推進方策 |
論文調査と学会参加によって最新情報収集と研究交流や、メールベースと当面研究打ち合わせなど手段で当分野の研究者たちと共同研究によって、計画を遂行するように、引き続きネットワーク内で遍在的にキャシングを行うIoT環境で新しい分散的且つ効率良いセキュアデータ取得方式の設計と分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の研究が上手く行けたため、当該研究費を殆ど使え切れますが、最終のIEEE誌上論文に関する掲載料についてIEEE事務局からの説明不足・概算不明な原因で、結局約8万円が生じた。平成29年度110万円の申請額に合わせて、次年度が約118万円の使用見込み額があり、下記の計画通り遂行する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
【物品費】実験用計算機(18万);実験用センサー(5万);研究用図書など資料購入(5万)【旅費】国内外研究打ち合わせ、学会参加ための旅費(70万円);【その他】学会参加費、通信費、成果発表するための別刷り代など(20万円)
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