研究課題/領域番号 |
16K16063
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大井 祥栄 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究機構, 特別研究員 (10721045)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | メッシュレス法 / 形状関数 |
研究実績の概要 |
研究課題「並列計算環境におけるメッシュレス法のための高性能・高安定・低コストな形状関数の開発」では「並列計算環境」を考慮した「高精度・高安定・低コスト」な新たなメッシュレス法を提案する. 電磁場解析の数値シミュレーションにはFinite-Difference Time-Domain Methodが多用されるが,複雑形状領域の解析が困難な場合がある.そこで,本研究では複雑形状領域の解析が容易な計算手法として開発されたMeshless Time- Domain Method (MTDM)に焦点を当てる.現在,MTDMにはRadial Point Interpolation MethodおよびInterpolating Moving Least Squares と呼ばれるメッシュレス法が応用されているが,計算精度や安定性の向上,計算コストの削減が望まれる.ここで,メッシュレス法に用いる形状関数はdelta function propertyと呼ばれる特性を満たす必要がある.そして,計算精度や安定性の向上,計算コストの削減を実現する為には,delta function propertyを満たす形状関数の数学的特徴の精査が必須である. 2016年度は「delta function propertyを満たす形状関数の数学的特徴の精査」および「メッシュレス法の応用の現状調査」を行うため,論文・著書サーベイや会議聴講を行った.これらより得られた知見を2016年度内にレビュー論文等としてまとめる予定だったが,それには至らなかった.2017年度は「2016年度に行った調査等のまとめの論文執筆」と「様々な形状関数をMTDMへ応用した場合の計算精度・安定性・計算コスト等を様々なシステム上で比較・評価し,MTDMおよびメッシュレス法全般の発展に生かす.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2016年度は「delta function propertyを満たす形状関数の数学的特徴の精査」および「メッシュレス法の応用の現状調査」を行うため,論文・著書サーベイや会議聴講を行い,得られた知見を2016年度内にレビュー論文等としてまとめる予定だったが,それには至らなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
2016年度に行った調査等のまとめの論文執筆を予定している.また,様々な形状関数をMeshless Time-Domain Method (MTDM)へ応用した場合の計算精度・安定性・計算コスト等を様々なシステム上で比較・評価を行い,並列計算環境におけるMTDMを用いた数値シミュレーションに対する最適な形状関数を選定する.
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時には計算用として50万円程度のワークステーションを2台購入予定だったが,採択後に購入が不要になったため100万円程度の差額が生じた. 同じく申請時に数学ソフトウェアMathematicaのライセンス20万円程度を購入予定だったが,採択後に購入が不要になったため20万円程度の差額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
来年度は研究成果発表のため国内および国外旅費,国内および国外学会参加費,論文投稿費(英文校正費含む)として使用する
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