電磁場解析の数値シミュレーションに多用されるFinite-Difference Time-Domain Method (FDTDM)における「複雑形状領域の解析が困難」という問題に対し,Radial Point Interpolation MethodおよびInterpolation Moving Least Squaresと呼ばれるメッシュレス法(形状関数)が応用されている.これらの手法には計算精度や安定性の向上,計算コストの削減が課題としてある.そこで,本課題では高性能・高安定・低コストな形状関数の開発を目指している. 2016年度は形状関数の肝となる"delta function property"に着目し「delta function propertyを満たす形状関数の数学的特徴の精査」および「メッシュレス法の応用の現状調査」を行った.具体的には論文・著書サーベイや会議聴講により情報収集を実施した. 2017年度は上記に基づき多々ある形状関数の中で"delta function property"を満たすものを抽出し,FDTDMに応用を試みた.結果として,計算精度および安定性の向上は確認できたが,計算コストが増加した. これらの知見のまとめを試みたが,期間終了前(2018年2月末)に所属(理化学研究所 計算科学研究機構)を退職することとなり,研究を打ち切ることとなった.結果,論文等の執筆に至らなかった.
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