本研究では,目的としていた「多ユーザ関数型準同型署名」の設計を目指して研究し,目標に近い技術である属性ベース署名やグループ署名の設計を提案した.グループ署名方式は,シンプルなアクセス制御機構と,追跡可能性を保持した高機能電子署名技術で,提案方式は初めての量子コンピュータに対しても安全な方式である.また,研究の過程で新たな暗号理論的テクニックを発見し,複数の新たな高機能暗号技術を提案した.これは今後の当該分野の理論的発展および真に実用的な高機能暗号技術の実社会への普及に向けて,一定程度の意義があるものと考えられる.
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