これまで疼痛に関する研究と自己身体の認識を総合的に調査した研究は少なく、疼痛研究と認知科学とを繋ぐ研究に取り組み始めたことが学術的に意義がある. また、本研究では積極的にバーチャルリアリティ技術を取り入れたことで自己身体の認識を定量的に調査した.この定量的評価方法は、自己身体の認識や不快な情動という個人差の大きな量を扱う上で将来性があり学術的に意義深いと考える.社会的意義に関して、本研究は自己身体の認識という認知科学的な分野からのアプローチ可能性を示し、疼痛に関する研究の裾野を広げた.現代において疼痛は社会問題であり、本研究の成果はこの社会問題の解決にの礎となったと考える.
|