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2016 年度 実施状況報告書

小脳を中心とした脳内ネットワークによる認知制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K16080
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

長谷川 国大  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 自動車ヒューマンファクター研究センター, 産総研特別研究員 (10741837)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード認知制御 / 小脳 / 認知神経科学
研究実績の概要

本研究は近年高次認知機能との関連が注目されている小脳とそれを中心とした脳内ネットワークから認知制御機能の理解を目指すものである。当該年度は,まず小脳と認知制御の関連を示すため,(1)脳イメージング技法を用いた認知制御機能に関連する過去研究の結果のメタ解析,(2)大規模オープンソースデータを用いた脳構造と心理機能との関連づけ,を実施する計画であった。

(1)過去研究のメタ解析研究では,過去20年間に実施された認知制御機能に関連する脳イメージング研究結果を収集し,これを Activation Likelihood Estimation 法と呼ばれる解析手法によりメタ解析を行った。認知的競合,メタ認知,課題切り替えなどの課題遂行中の脳活動を対象とした研究を対象として解析を行い,このうちメタ認知機能に関わる脳機能マップについて一定の成果を得た。当該年度中の採択を目指していたが,その査読の最中に使用していたソフトウェアに問題があったことが開発元よりアナウンスされたため再解析を行う必要が生じた。現在論文の改稿・再投稿へ向けた準備を進めている段階にある。

(2)米国 Human Connectome Project が一般に公開している脳画像データベースから500件超の脳構造画像と対応する心理機能スコアを得て,これを Voxel-based Morphometry の手法を用いて解析し,脳の構造と心理機能の対応関係を明らかにすることを目指している。また小脳・脳幹に特化した脳画像解析ツールボックスを用いることでより精度の高い機能局在の導出を試みている。予備解析において一定の成果が得られたが,そのデータベースに大幅なアップデートがあり,使用できるデータ量が倍増した。これを用いることでより精度の高い検討が可能になると判断し,新しくリリースされたデータを加えて新規に解析をスタートさせている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

過去研究のメタ解析については,ソフトウェアの問題による解析のやり直しにより進捗がやや遅れたが,すでに論文再投稿の目処が立っており,次年度の早い段階で成果を公表できる見込みである。
脳構造学的研究では,すでに新しい解析をスタートさせており,これには以前の解析と同じプロトコールをそのまま使用するため,成果公表までの道筋は明解である。しかしデータ量が倍増した分,解析にも時間を要する見込みであり,次年度中の成果公表を目指している。

今後の研究の推進方策

まず現在進行中のメタ解析及び脳構造学的研究の成果公表を目指す。計画上,次年度にはfMRIを用いた脳機能画像及びrsfMRIによる脳機能結合の検討を予定している。現在はその準備に着手しており,順調に進行している。

次年度使用額が生じた理由

当該年度中に論文の公刊を目指していたが,次年度に繰り越されることとなったため,そのための費用の一部を次年度使用とした。

次年度使用額の使用計画

当該年度に公刊を目指していた論文の英文校正費などに使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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