| 研究課題/領域番号 |
16K16081
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| 研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
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研究代表者 |
和田 充史 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳機能解析研究室, 研究員 (10418501)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 運動視 / 奥行き運動 / 物体運動 / real motion / 輻輳眼球運動 / V3A / 脳機能イメージング / fMRI |
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| 研究実績の概要 |
網膜像運動から自らの眼球運動で生じた成分を差し引くことで真の物体運動を検出する仕組みに関しては，これまで2次元（網膜平面）方向の場合は調べられてきたが，3次元空間内で運動を記述するために加えて必要となる奥行き方向での場合に関しては未解明であった．本研究では，この眼球運動に依らない物体奥行運動の視覚処理解明を目的としfMRI脳機能イメージングを実施してきた．本年度は，ヒト視覚野における物体奥行運動固有の脳活動応答部位同定のため前年度に実施したfMRI本実験と，視覚野V1, V3A, V3B, hMT+同定のためのレチのトピックおよび運動ローカライザ実験に加えて，新たに，フローフィールドローカライザ実験を実施することで視覚野V6の同定を行った．V6は先行研究により物体平面固有の応答が報告されており，本同定実験によりV6における奥行き方向の場合の運動応答特性に関する解析が可能となった．一方， fMRI本実験で得られた結果の妥当性を検証する上で必要となる，両眼ステレオ刺激呈示下における輻輳眼球運動計測に関しては，高精度両眼眼球運動計測が可能なアイトラッカーを借り受け，実験室における計測実験実施環境を構築した．さらに，fMRI本実験で用いた視覚刺激呈示を眼球運動計測と同期して実行可能なプログラムを開発した． なお，個人情報およびプライバシーの取扱に関しては，個人の識別は記号・数字等で行い個人が特定されることのないよう留意して取り扱っている．このように被験者に関わる情報（パーソナルデータ）の取り扱いにおいては，当機構内規定および独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律（平成15年5月30日法律第59号）を遵守し，被験者の人権に配慮している．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ヒト視覚皮質における物体奥行運動固有の脳活動応答を計測するfMRI実験における結果の妥当性を検証するため，両眼ステレオ刺激呈示下での輻輳眼球運動計測が必要となるが，このための実験系の構築に技術的な困難が伴ったため進捗が遅れている．具体的には，輻輳眼球運動計測に必要となる高精度での両眼眼球運動計測と，奥行き運動刺激を呈示するための両眼ステレオ呈示が互いに干渉する場合があることが判明した．これを回避するための新たなステレオシャッター眼鏡の選定，眼球照射条件の工夫などに当初予期していなかった時間を費やした．
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| 今後の研究の推進方策 |
今後，確立した実験系を用いた奥行き運動刺激呈示下での輻輳眼球運動計測に注力し，fMRI本実験結果の妥当性検証を進める．また，同定した物体奥行運動処理関与脳部位における脳内表現のさらなる解明を進めるための多ボクセルパターン解析を実施することで，奥行き方向と2次元平面方向の物体運動表現の同定した脳部位V3Aにおける表現の相違について分析を進める．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初予定において実施予定であった多ボクセルパターン解析のためのfMRI実験実施が，これに先立って必要となる眼球運動・両眼ステレオ刺激呈示環境構築の遅れのため未実施につき，またこれに伴う学会発表および論文投稿のため．未使用の被験者謝金，学会発表・論文掲載に関わる費用は，期間延長に伴い次年度に同目的で使用する計画である．
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