研究実績の概要 |
リアルタイムな3次元形状計測は,未知環境下において動作するロボットや遠隔医療等の実現に必要不可欠な技術である.本研究では,単眼運動カメラから取得された画像列を基に得られる疎な3次元点群とカメラ画像中のテクスチャから得られる外形や対称性を相補的に利用し,対象物体を一般化円筒等の組み合わせとしてモデル化する.これにより,対象物体の幾何情報を離散サンプリングした疎な3次元点の集合である点群表現から,連続性を持った幾何プリミティブの集合として復元することのできる,単眼カメラのみでの高密度な実時間3次元復元手法の開発を目的としている.
本年度は,提案手法の段階的な開発の一環として,対象物体の全周3次元幾何モデル(3次元点群)が事前に与えられた状況下での,局所形状に対する一般化円筒の当てはめについて研究を行った.具体的には,等間隔に多数のサンプリング点を決定し,各サンプリング点を中心とする局所領域における幾何軸および外形の推定を行うことで,それぞれの局所形状を要約するような一般化円筒の生成に取り組んだ.これにより,入力モデルを点群ではなく,幾何軸と外形による幾何プリミティブ群として表現可能である.一方,局所的な一般化円筒を生成するのみでは対象幾何形状の冗長表現につながってしまうため,対象モデルを表現する上で適切なプリミティブ形状およびその個数を決定するための円筒の統合・最適化を行うことが必要である.
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