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2016 年度 実施状況報告書

一般化主成分分析に基づく適応画像修復法とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K16091
研究機関東京理科大学

研究代表者

高橋 智博  東京理科大学, 工学部情報工学科, 助教 (40756300)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード画像修復 / スイッチングモデル / 一般化主成分分析 / スパース最適化 / TV最小化
研究実績の概要

本研究の目的は,従来よりも信号表現能力に優れたスイッチングモデルを採用した新たな画像修復アルゴリズムを提案することにある.
本年度はスイッチングモデルを採用した画像修復アルゴリズムを提案した.このとき欠損した画素の画素値とモデル,どの領域をどのモデルで表現するかの3点は,お互いの推定結果に影響を及ぼすため,同時に最適化する必要がある.この問題を解決するため,本研究では構造化行列のランク最小化を用いることにより,線形システムのパラメタ推定を必要としない信号修復を行った.これにより同時に決定するべきは画素値とモデル-領域間対応の2つに限定されるため,問題を簡略化することに成功している.
どの領域をどのモデルで表現するかを最適化するために,従来法をそのまま適用した場合とスパース最適化の知見を用いた方法の2種類について検討を行い,スパース最適化を用いた場合により適切な領域区分が可能であることを示した.
また,本研究の成果を音声信号の修復に応用することにも成功し,従来の方法と比べて高い修復結果を得ることができた.これにより,非定常な信号をスイッチングモデルによって修復する本研究の基本的な考え方は,信号処理分野の応用において非常に有効であることが示唆された.
本年度得られた成果について国際会議1件,査読付き国内会議1件を始めとする計5件の発表を行った.特に査読付き国内会議では奨励賞を受賞している.受賞理由は本研究の成果が効果的で,かつ学術的に高度であることとされており,本研究の成果は高く評価されている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していた画像修復アルゴリズムの提案に加え,次年度に予定していたスパース最適化の知見を用いたモデル選択の変動最小化を実装した.提案した手法の有効性は数値例からも明らかであり,国際会議への採択および国内会議における奨励賞受賞も本研究が高く評価されていることを示している.

今後の研究の推進方策

引き続きモデル選択の最適化に取り組むとともに,画像が欠損していることを考慮したアルゴリズムの導出を行う.各種会議での発表と,論文誌への投稿を予定している.

次年度使用額が生じた理由

当初購入を予定していた計算機を予算不足により購入できないことがわかったため.

次年度使用額の使用計画

計算機購入用の物品費を,別の予算で購入した計算機にGPUを追加するための予算として使用する.これにより,当初購入を予定していた計算機と同等の性能を得られる予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 一般化主成分分析に基づくSwitched ARモデル同定手法と音声修復への応用2016

    • 著者名/発表者名
      佐々木亮平,高橋智博,小西克巳,古川利博
    • 学会等名
      第59回自動制御連合会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2016-11-10 – 2016-11-12
  • [学会発表] 行列ランク最小化に基づく一般化主成分分析手法による音声修復手法2016

    • 著者名/発表者名
      佐々木亮平,高橋智博,小西克巳,古川利博
    • 学会等名
      第31回信号処理シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2016-11-08 – 2016-11-10
  • [学会発表] Adaptive image inpainting algorithm based on generalized principal component analysis2016

    • 著者名/発表者名
      T. Takahashi, K. Konishi, K. Uruma, T. Furukawa
    • 学会等名
      IEEE IVMSP
    • 発表場所
      ボルドー,フランス
    • 年月日
      2016-07-11 – 2016-07-12
    • 国際学会
  • [学会発表] スパース正則化と一般化主成分分析に基づく適応画像修復2016

    • 著者名/発表者名
      高橋智博,小西克巳,雨車和憲,古川利博
    • 学会等名
      第29回 回路とシステムワークショップ
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2016-05-12 – 2016-05-13
  • [学会発表] 繰り返し核ノルム最小化を用いたクリッピングノイズ除去2016

    • 著者名/発表者名
      佐々木 亮平,高橋 智博,小西 克巳,古川 利博
    • 学会等名
      第29回 回路とシステムワークショップ
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2016-05-12 – 2016-05-13

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公開日: 2018-01-16  

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