機器に関するサービス,保守,安全性の向上などを目的とし,現地の「作業者」の状況を把握しながら遠隔地の熟練「指示者」が作業者へ指示を出す遠隔作業指示の必要性が高まっている.本研究では,コミュニケーションにおける予期を可能にし,作業を円滑にする,身振りや手ぶりといった非言語表現に着目している.これらをAR技術によって遠隔地の作業者に提示可能なシステムを構築し,コミュニケーションにおける対話者の行為の理解・予期に関するメカニズムを解明することを目的としている. 本年度は,昨年度までに実施した,指示者の非言語表現を手先のみ,腕と手先,全身,と選択的に作業者に見せることで,作業効率や印象,ユーザビリティにどのような影響を及ぼすかを調査した実験結果について詳細な分析を行った.その結果,全身を提示する場合は,手先のみ,腕と手先の2条件に比べて,作業者の心的負荷の低減に寄与すること,および,動作予期を支援し,作業効率を有意に向上させることを確認した. 成果については国際誌にて紙上発表を行った.
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