本研究では,物理過程を用いた人工知能の1つである時間遅延光Reservoir Computing (RC)において,情報処理性能の向上手法を提案し,実験・シミュレーションによる実証を行った.この手法では時間遅延された自身のフィードバック信号を有するシステムを2つ用意し,それらを相互結合したシステムを用いる.RCではシステムが入力信号を複雑な信号に変換し,信号の区別を容易にすることに基づいて情報処理を行う.相互結合システムは入力信号をより複雑な信号に変換可能であるため,性能向上が期待できる. RCの性能を時系列予測テストにより評価した結果,既存の手法よりも高い予測精度を達成可能であることを示した.
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