研究課題
本研究課題の目的は,検索ユーザの背後にある目的を考慮した検索技術を実現することである.具体的には,研究最終年度となった平成29年度は主に下記2つの課題に取り組んだ.(1)コミュニティQAコーパスからの代替行動マイニングH28年度に引き続き,ある目的を達成する方法を検索エンジンを通じて探す状況化での,代替行動マイニング技術について取り組んだ.「睡眠薬」というクエリに対して,「ハーブティーを飲む」,「睡眠前に軽く運動する」といった,クエリの背後にある目的を達成することが可能な行動を代替行動(Alternative Action)と定義し,クエリに対する代替行動をYahoo!知恵袋などのコミュニティQ&Aコーパスを利用しマイニングする技術を実現した.具体的には,コミュニティQ&Aコーパスの質問-回答構造を利用し,質問-行動2部グラフを作成し,それに基づき代替行動を発見する手法を実現した.(2)特定の目的に合致したオブジェクト検索「夜景がきれいに撮れる」カメラ,「持ち運びやすい」カメラといった,オブジェクトを実際に使用して初めて知ることのできるような属性を経験的属性と定義し,経験的属性に基づくオブジェクトランキング手法を実現した.具体的には,特定の属性に対するオブジェクト同士の優劣は,そのオブジェクトのレビュー中に比較表現として出現することに注目し,レビュー中から,ある属性に対するオブジェクト間の相対的選好を抽出し,学習データとしてLearning to Rankに用いることで,オブジェクトのランキングを実現する.さらに,「軽い」カメラは「持ち運びやすい」といったように,属性間には依存関係があることに着目し,属性間の依存関係についてもレビューから自動的にマイニングすることで,ランキング対象となる経験的属性に関する学習データを拡張する手法についても実現した.
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情報処理学会論文誌データベース(TOD)
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