初年度となる平成28年は,不均質なメタデータを含むマルチメディアビッグデータの分析について,幾つかの研究に取り組んだ.また,ユーザや,そのデバイスが生成したコンテンツに付与されたメタデータと,そのコンテンツ自体を組みあせて研究に取り組んだ.その際に,近年,ビジット・ジャパン・キャンペーンや,訪日外国人の増加などにより注目されている分野の一つである,旅行の分野について,マルチメディアビッグデータを応用し,ユーザのコンテキストの推定についての研究に取り組んだ.ソーシャルメディア上のユーザのテキストの投稿に付与される時間や,位置情報といったメタデータを利用した,旅行者の属性を分析する研究である.それ以外にも,ウェブ上のユーザのテキストを分析することによって,ユーザの観光地での消費行動や,その観光地へと訪れた目的などを推測する研究や,ウェブ上のユーザの投稿に付与されている位置情報から,ユーザの密集する場所を抽出し,そこからの避難行動を分析する研究に取り組んだ.これらの研究成果は,複数の国内会議や,国際会議,国際ワークショップ(LBSN2016,KESW2016,IWIN2016,AI4Tourism2016など) で発表をしている. 平成29年度以降も,平成28年度で得られた成果をより発展させて,マルチメディアビッグデータの分析や,不均質なメタデータを利用した研究に取り組んでいく予定である.
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