研究課題/領域番号 |
16K16159
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山邉 茂之 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (90533670)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 災害対応 |
研究実績の概要 |
避難を誘導する情報提示方法の検討ではなく,避難誘導を行わずに避難してもらえる情報提示方法の検討を目的として,初年度は,運転中にどこに情報提供を行った方が効率的かを調べた. 単に情報提示であれば普及率が高いカーナビによる方法が挙げられるが,カーナビによる情報提示はドライバへ直接的であり誘導として捉えられる危険性があった.そこで,不特定多数への不変の情報提示方法である路面標識,道路標識はむしろ漠然としており,誘導ではなく案内の域に留まる.路面標識,道路標識の設置位置を参考に,平時から非常時に移行した場合を想定して標識を変化させた際,どこが気づきやすいかを時間と共に一部の絵が変化するアハ体験を参考にアプリを開発し,運転中の動的ではなく,まずは机上の静的な状態で調査を行った. 標識を変化させる画像は,実施計画通り,知見を元に選定いただいた個人で所有する代表的な画像をアハ体験の材料とした.アハ体験が可能なアプリは,議論を重ね委託にて開発を行った. 調査は現在も継続中であるが,現時点で明らかになっている点は,動的と静的の差異について,動的は中心視野の傾向,静的は周辺視野も比較的見やすい点を考慮して画像を作成して,表示にタブレットを活用しているが,タブレットを「手で持つ」ことが距離感を狂わしてしまうことが分かり,VRの活用も検討したが結局,計測は画像変化開始から変化場所を指でタップするまでの認知時間としており,VRで変化箇所を選択する仕組みを途中から追加することが難しく,計画通りタブレットによる方法で調査を継続している. 2年目の動的な調査の表示方法の検討として,車内からのヘッドアップディスプレイによる表示を検討したが,シミュレータの映像とヘッドアップディスプレイの映像の重ね表示は,焦点距離の変化に目慣れず,疲労が強く出ることが分かったため,直接シミュレータの映像を変化させる方法に決めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実施計画で予定していた静的な調査方法が最適かどうか別の方法での検討も行ったため,その分遅れたが,計画通り進められることが確認できた.一方,動的な調査方法は,計画していた方法では目の焦点距離の変化が激しく,実施が難しいことが分かったため,表示方法の変更検討を行ったため,予定より遅れ気味となった.
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今後の研究の推進方策 |
2年目の実施計画では,ヘッドアップディスプレイでの表示方法を検討していたが,初年度の検討により難しいことが分かったため,デジタル路面・道路標識表示を変更して,電光掲示板を想定して,その電光掲示板に案内を出す方法に変更する.そのため,先行して道路標識表示を中心に検討していく. 表示方法の変更以外は,実施計画に沿って遂行していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度のために事前に準備・確認する上で購入を予定していた物品でのテストが本年度進める中で別の方法に変わったため
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に別の方法として,それに即した物品購入などに充てる
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