東日本大震災時は,徒歩避難が原則にも関わらず車避難が多かったため,車による避難行動分析を行った.震災直後を想定した走行実験から,実験参加者の7.5割が他人と同じ行動をして安心感を得る多数派同調バイアスにかかり交通ルールを厳守,一部の運転者が交通ルールを破った方法での避難(東日本大震災で実際にあった対向車線走行)を行うと2.5割はそれを真似る別のバイアスに移行することが分かった.バイアスから脱するには自己判断の入力が必要で,判断材料となる情報の提示方法や位置の検討も行った結果,提示を鵜呑みにした実験参加者は8.5割となり,情報提供の正確性と怖さ,事前の知識の蓄積である防災教育の重要性が示された.
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