まずはじめに、。学術分野の引用関係ネットワークから分散表現を作成し、学術分野の成長方向を観測・予測するための技術を開発した。 次に、集団の挙動の理解や今後の予測には集団の発展を時系列に理解することが有用である。学術分野の引用関係などのネットワークデータから、集団が進化の過程を抽出し描画する手法の開発が進んでいる。既存手法では、各論文を集約したクラスタ間の離散的な時間における推移や関係性を描画しているため、個々の論文に関する情報を得ることはできない。本論文では、連続的な空間内に各論文を一つの点としてプロットし分野が徐々に広がっていく過程を2次元空間に描画し、領域の成長・分岐・融合の様子を表現しながら個々の論文の位置を明確にする手法を開発した。本手法では、まず、ネットワーク表現学習で得られた潜在空間での論文領域の成長方向を検出しその方向からのずれをカテゴリとして定量化し、次に、その上で近隣領域への連続的な進化のみを抽出する。これらのプロセスにより、複雑なネットワーク構造から領域の進化にそった関係性のみを抽出することを可能とした。本手法を用いて太陽電池やGrapheneなどの活発に研究されている領域のデータの可視化を行い、そのアウトプットが学術分野の理解に有効であることを検証した。 また、論文引用ネットワークを抽象化する基盤技術として、複数のレイヤーのネットワークから表現学習するための基盤技術を、人間の移動データから場所の分散表現を作る技術をじっそうすることで実現した。
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