本研究では,LMS(Learning Management System)をはじめとするICT教育支援システムの学生の利用履歴から,成績不振となってしまう可能性がある学生を早期に発見するためのシステムを確立することを目的とした研究を行ってきた.さらに,学生への学修支援の精度や機会を増やす事を目指し,教員に対して授業改善に繋がる情報としてどのようなものを提供することができるかの検討を行ってきた.アクセスログのクラスタリング結果を可視化することで,授業回毎の特徴を視覚的に捉えることができ,本研究で利用したクラスタリング手法は授業構成へのフィードバックという点でも有効である可能性が示唆されたと考える.上記のうえ本年度は,生成されたクラスターのさらなる分析を行った.特に,まだ分析に利用していないCIST-Solomonのアクセスログについても調査し,より多角的に授業構成のフィードバックが行えるようデータの分析を行った.個々のアクセスログの解析では,成績不振になってしまう学生の早期発見に繋がるデータが示されたものもあるが,複数のアクセスログを組み合わせても大幅な精度の向上は見られなかった.以上を踏まえ最終年度は,CIST-Solomonから取得できるアクセスログだけではなく,Slack等のコミュニケーションツールのログを組み合わせさらなる精度の向上を行った.評価は,武蔵野大学データサイエンス学部で開講されるメディアクリエーション・デザイン演習,データサイエンスプログラミング演習で行った.
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