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2017 年度 実施状況報告書

長期行動計測による南極の高次捕食動物の越冬生態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K16185
研究機関国立極地研究所

研究代表者

國分 亙彦  国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (90580324)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード南極 / 海鳥 / 越冬生態
研究実績の概要

2017年10月から2018年1月にかけて、南極宗谷海岸のラングホブデを訪れ、前シーズンにユキドリに取り付けたジオロケータのうち、53%を回収した。また、同じく前シーズンにアデリーペンギンに取り付けたジオロケータのうち、95%を回収した。回収時には血液と羽毛を少量ずつ採取した。
回収したジオロケータからは、いずれもデータをダウンロードし、電子データとしてハードディスクに保存した。
2017年11月には、ユキドリ8個体に短期装着用のGPSロガーを装着したものの、海氷状況の悪化のために、12月初旬から下旬の、回収予定時期に調査地に行くことができず、これらのロガーの回収は断念した。
また、調査地近くの昭和基地では、目視による生物の出現記録を続け、ユキドリ、アデリーペンギンについて、2017年5月下旬から10月下旬の間、昭和基地周辺からいなくなっていることを明らかにした。
さらに2018年2月上旬、ラングホブデ雪鳥沢付近でユキドリの営巣数調査をおこなった。50m×50mのプロットを設置し、その中の範囲内を精査してユキドリの巣をカウントするとともに、その位置をGPSで記録した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

日本の南極観測隊では初となるユキドリの行動データを無事回収することができ、さらに栄養状態の指標となる血液・羽毛の採取にも成功した。アデリーペンギンのジオロケータについては、95%の個体を再捕獲するなど、予想以上の成果が得られた。その反面、ユキドリの短期装着型のGPSについては、1個体も回収ができないなど、予想外にデータが得られない一面もあったが、これは海氷状況の悪化という自然現象に起因しており、安全上仕方のないことだと考えられる。これらの状況を総合的に判断し、今年度の調査終了時点での研究課題の進捗状況を「おおむね順調に進展している」と自己評価する。

今後の研究の推進方策

昭和基地での越冬観測を終え、2018年3月23日に帰国した。今後はユキドリ・アデリーペンギンから得られた冬期の行動データを解析するほか、血液と羽毛の安定同位体比を調べ、越冬期間中の栄養状態を明らかにする。これらの結果を論文にまとめ、また学会発表を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度は研究代表者が南極・昭和基地で越冬観測中であり、物品の購入や送付が不可能な状態であったため、物品・旅費等の経費を使用しなかった。これらの予算は次年度使用額として繰り越し、平成30年度の予算として使用する予定である。
平成30年度には、29年度、越冬中のために行うことのできなかった血液・羽毛サンプル等の処理、学会発表等の目的で、残額を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Inter-annual climate variability affects foraging behavior and nutritional state of thick-billed murres breeding in the southeastern Bering Sea2018

    • 著者名/発表者名
      N. Kokubun, A. Takahashi, R. Paredes, R. C. Young, N. N. Sato, T. Yamamoto, D. M. Kikuchi, E. Kitaiskaia, M. Ito, Y. Watanuki, A. Will, R. Lauth, M. D. Romano, A. S. Kitaysky
    • 雑誌名

      Marine Ecology Progress Series

      巻: 593 ページ: 195-208

    • DOI

      https://doi.org/10.3354/meps12365

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2018-12-17  

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