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2019 年度 実績報告書

長期行動計測による南極の高次捕食動物の越冬生態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K16185
研究機関国立極地研究所

研究代表者

國分 亙彦  国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (90580324)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード安定同位体比 / 栄養分析 / ジオロケータ
研究実績の概要

2019年度は、南極で取得してきた飛翔性海鳥(ユキドリとナンキョクオオトウゾクカモメ)の羽毛・血液の安定同位体分析、ストレスホルモン分析と、ジオロケータのデータ解析を進めた。羽毛・血液サンプルについては、アラスカ大学の研究協力者(Alexander Kitaysky教授)に分析を依頼した。海鳥類の栄養段階を推定するため、彼らの行動圏内で取得してきた餌サンプルの安定同位体比も分析した。ユキドリは、南大洋の中の個体の越冬海域の違いによって、利用する栄養段階や栄養ストレスが異なることがわかった。ナンキョクオオトウゾクカモメは北半球に渡って越冬し、そこではユキドリより高い栄養段階の食物を摂取していることがわかった。
ジオロケータのデータについては、データを展開して日長と日出没の記録を取り出し、同様のデータを解析した経験のあるオーストラリアの研究協力者に連絡をとり、現在解析を進めている。
また、これまでに南極で取得した夏期のアデリーペンギンの行動データの解析を進め、次のようなことを明らかにした。1)ペンギンが見知らぬ場所から、行動コストを最小にするようなルートを正確にたどって巣まで帰ってくること、2)隣接するコロニー間で餌を探す場所が分離しており、より小さなコロニーの個体はより大きなコロニーの採餌域を避けていること、3)夏の間の海氷が少なくなる年には、海氷による物理的制約が減ってペンギンが自由に泳ぎ回り、餌を採りに行くためにかける時間を少なくできて、それが高い繁殖成績に結びついていること。これらの結果は論文として国際誌に掲載された、もしくは掲載が決定した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Inter-colony foraging area segregation quantified in small colonies of Adelie Penguins2020

    • 著者名/発表者名
      Ito, K, Watanabe Y, Kokubun N, Takahashi A.
    • 雑誌名

      IBIS

      巻: - ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1111/ibi.12837

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Foraging behaviour links sea-ice to breeding success in Antarctic penguins (accepted)2020

    • 著者名/発表者名
      Watanabe YY, Ito K, Kokubun N, Takahashi A.
    • 雑誌名

      Science Advances

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Homing ability of Adelie Penguins investigated with displacement experiments and bio-logging2019

    • 著者名/発表者名
      Shiomi K, Kokubun N, Shimabukuro U, Takahashi A.
    • 雑誌名

      Ardea

      巻: 107 ページ: 333-339

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Long-term and wide-range research on sea ice ecosystem changes in East Antarctica: Observations by top predators2019

    • 著者名/発表者名
      Kokubun N, Watanabe Y, Shiomi K, Takahashi A.
    • 学会等名
      The Tenth Symposium on Polar Science
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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