本研究では福島県川内村において村内で採れた食材に含まれる放射性セシウム濃度を明らかにした。さらに預託実効線量を算出し、住民とのリスクコミュニケーションツールとして供した。以上に加え、本研究を住民と遂行することで、住民の放射線被ばくと健康影響に対するリスク認知の評価を行った。住民のがんなどの健康影響に対する懸念は、前回の同調査に比べて有意に減少していた。一方で、1kgあたり100Bqの食材を1年間食べ続けた場合の健康影響への懸念などは有意な減少が見られなかった。放射線防護の考え方が住民に理解されていない可能性が示唆され、継続的なリスクコミュニケーションを実施することが重要であると考えられる。
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