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2018 年度 研究成果報告書

細胞内損傷乗り越え複製アッセイを用いたアクリルアミド誘発遺伝毒性の分子機構の研究

研究課題

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研究課題/領域番号 16K16199
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 放射線・化学物質影響科学
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

赤木 純一  国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 主任研究官 (60512556)

研究協力者 岩井 成憲  
花岡 文雄  
横井 雅幸  
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードアクリルアミド / グリシドアミド / 損傷乗り越えDNA合成 / 遺伝毒性 / 食品汚染物質
研究成果の概要

アクリルアミド(AA)は食品の加熱調理により生成する遺伝毒性発がん性物質である。本研究ではAAの活性代謝物であるグリシドアミドのDNA付加体の安定化アナログ(GA7FdG)を持つDNAを鋳型として損傷乗り越えDNA合成アッセイを行い、AAにより誘発される遺伝毒性の分子機序を解析した。その結果、鋳型DNA上のGA7FdGは様々なDNAポリメラーゼによる伸長反応を強く阻害した。さらにGA7FdGを持つシャトルベクターはヒト細胞内で複製効率が顕著に低下し、複製産物では点突然変異が見られた。これらの結果から、GA付加体によるDNA複製阻害および突然変異誘発がAAの遺伝毒性に直接寄与することが示された。

自由記述の分野

分子細胞生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

化学物質誘発突然変異では生体内で複数の付加体が生じることなどから、詳細な機序の解析には化学合成された単一の損傷塩基を用いた解析が欠かせない。アクリルアミド曝露により生じる主なDNA損傷であるGA7dGは不安定なため、化学合成された塩基を用いた解析はこれまで行われていなかった。本研究ではGA7dGの安定化アナログを用いることにより、GA7dGがDNA複製を強く阻害すること、および点突然変異を誘発することを明らかにした。アクリルアミド誘発遺伝毒性の詳細な発現機序が明らかになることは食品由来の慢性曝露によるリスクを評価する上で有用な知見となり、社会的にも大きな意義を持つと考えられる。

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公開日: 2020-03-30  

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