• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

新規ホールゲノムジェノタイピング(GWGS)に基づいた有毒アオコ変動機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K16206
研究機関秋田県立大学

研究代表者

岡野 邦宏  秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (30455927)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード有毒アオコ / 八郎湖 / 全ゲノム解析 / 次世代シーケンサー
研究実績の概要

世界的に問題となっている有毒アオコの代表種であるMicrocystis属は、産生される毒素ミクロシスチンの種類や量だけでなく産生の有無も種(species)内で異なっている。また、細菌の分類に一般的に用いられる16S rRNA遺伝子では変異がないことから、より高精度なジェノタイピングに基づいて毒産生や増殖特性を明らかにする必要がある。本研究では、ホールゲノムジェノタイピング(GWGS)法を新たに開発し、Microcystis属培養株の分類と毒素産生特性の解明を目的としている。
ホールゲノム解析の結果、Microcystis属0824株はmcy遺伝子群が欠損したミクロシスチン非産生株、N7株は保有する産生株であることが明らかになった。低温適応株である0824株は、著者らが以前に解析した同じミクロシスチン非産生株であるM. aeruginosa NIES-44株とは異なり、3つの非リボソームペプチド合成酵素(NRPS)を保有していた。0824株は、 NIES-44株間でも2,221の非共通遺伝子を有しており、特徴的な遺伝子構造を持つことが推察された。なお、Microcystis属0824株のWhole Genome Shotgunプロジェクトは、DDBJ/EMBL/GenBankにアクセッションNo. BDSM00000000として登録した。
また、開発したGWGS法により解析した結果、Microcystis属0824株は、解析に用いた10株とはホールゲノムベースの相同性が最大でも73.7%であった。同じ八郎湖単離株である0824株とN7株との相同性は、72.1%であり、湖内での遺伝子多様性も極めて高いことから、遺伝子比較により低温適応に関する遺伝子を探索するのは難しいことが予想された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Characteristics of harmful algal blooms during a low water temperature season in Lake Hachiro2018

    • 著者名/発表者名
      Araki, M., Okano, K., Ohta, S., Suzuki, E., Fujibayashi, M., Miyata, N.
    • 雑誌名

      Journal of Water and Environment Technology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      -

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 秋田県八郎湖より単離されたMicrocystis属培養株の遺伝子構造2018

    • 著者名/発表者名
      岡野邦宏, 鈴木英治, 藤林恵, 宮田直幸
    • 学会等名
      日本水環境学会札幌大会
  • [学会発表] Microcystis属八郎湖株の増殖及び毒素産生における水温と光の影響2018

    • 著者名/発表者名
      岩谷文香, 岡野邦宏, 荒木美穂, 藤林恵, 宮田直幸
    • 学会等名
      日本水環境学会札幌大会
  • [学会発表] The Relationship of the Microbiota including Algal Bloom Forming Cyanobacteria and the Environmental Factors in Lake Hachiro2018

    • 著者名/発表者名
      Okano, K., Matsuo, A., Araki, M., Ohta, S., Fujibayashi, M., Miyata, N.
    • 学会等名
      17th World Lake Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] MiSeq Nano Kitで追いかける湖沼のマイクロビオームダイナミクス2017

    • 著者名/発表者名
      岡野邦宏, 松尾歩, 荒木美穂, 宮田直幸
    • 学会等名
      NGS現場の会第五回研究会
  • [学会発表] Characteristics of harmful algal blooms during low water temperature season in Lake Hachiro2017

    • 著者名/発表者名
      Okano, K., Araki, M., Ohta, S., Fujibayashi, M., Miyata, N.
    • 学会等名
      WET2017 (Water and Environment Technology Conference 2017)
    • 国際学会
  • [学会発表] 秋田県八郎湖のアオコ発生メカニズムと住民参加型調査2017

    • 著者名/発表者名
      岡野邦宏, 荒木美穂, 松尾歩, 藤林恵, 宮田直幸
    • 学会等名
      日本陸水学会仙北市田沢湖大会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi