本研究では、国内の病院から公共下水道に放流される排水中に存在する医薬品成分の存在実態についての調査を行うとともに、医療機関において水処理を行うことによる環境への負荷低減影響について評価を試みた。その結果、病院排水中に種々の医薬品成分が存在しており、これらは下水処理場の水処理工程で一部は除去されるが、十分に除去されずに河川へと放流される傾向にあり、病院排水に由来する負荷割合が高い成分も存在していることが明らかになった。しかしながら、オゾン処理等の高度処理を併用することで効率の高い除去を行うことが可能であり、水処理の高度化を行うことが有効な対策の1つとなりうることが示唆された。
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