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2018 年度 実績報告書

人口減少は生物多様性保全の脅威か、機会か?無居住化集落から見る長期管理放棄の影響

研究課題

研究課題/領域番号 16K16223
研究機関国立研究開発法人国立環境研究所

研究代表者

深澤 圭太  国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (90617101)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード景観 / 生物多様性 / 人口減少 / 中山間地 / 形質ベースモデル
研究実績の概要

過年度までに、日本各地の無居住化地域と居住地域においてチョウ類相を比較し、無居住化がチョウ類相に与える正負の効果を明らかにした。本年度は、その結果をもとに種の生息環境特性と無居住化の影響の関係を特定する形質ベースアプローチを種ごとの出現パターンと無居住化の効果を関連付け、その効果量を種特性により説明する階層構造をもった階層ベイズモデルにより実装し、図鑑などから容易に得られる種の特性から無居住化による影響の正負、そしてその大きさを予測する統計モデルを推定した。その結果、草地性の種や農耕地性の種が無居住化の負の効果を受けやすいことが明らかとなった。さらに、その結果と3次メッシュ全国チョウ類分布を統合し、3次メッシュごとの無居住化が種多様性に与える影響を明らかにした。その結果、日本の主要4島においては至るところで無居住化の負の効果が正の効果を上回っていた。また、負の効果と正の効果の相対的な大きさは地域差があり、特に中部地方の盆地などで負の効果が卓越していた。さらに、人口偏在化シナリオと均一化シナリオ(いずれのシナリオも市町村レベルの総人口は同じ)で無居住化する地域における影響の大きさを比較したところ、均一化シナリオにおいて無居住化の影響が小さくなることが明らかとなった。このことから、市街地域を均一化に誘導することで人口減少が生物多様性への負の影響を緩和できると考えられる。しかしながら、コンパクトシティ化による低炭素とのトレードオフがあることに留意が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] High-resolution national land use scenarios under a shrinking population in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Ohashi H., Fukasawa K., Ariga T., Matsui T., Hijioka Y.
    • 雑誌名

      Transactions in GIS

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/tgis.12525

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ヤナギの侵入は耕作放棄水田において木本種の種子散布を促進するか?2019

    • 著者名/発表者名
      藤田知弘, 小林慶子, 深澤圭太
    • 学会等名
      日本生態学会第66回全国大会
  • [学会発表] 無居住化集落の景観構造が植物種の組成と多様性に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      小林慶子, 深澤圭太, 浅原昭生, 竹中明夫
    • 学会等名
      日本生態学会第66回全国大会

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公開日: 2019-12-27  

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