昨年度までに,携帯電話の位置情報をベースとした全国の時間帯別メッシュ人口から,エントロピーモデルを用い,時間帯別のメッシュ単位 OD 交通量を推計するモデルの構築を構築している.本年度は,昨年度までに構築したモデルを用いて,実際に乗用車CO2排出量を推計するとともに,異なる人口分布による交通行動の影響を評価できるようなシステムを構築した.具体的な成果を以下に示す. 昨年度までに都市圏内の1日のトリップ連続性を考慮した人の移動軌跡の再現を行っている.ただし,交通手段が不明であるという課題があった.そこで,別途行ったWebアンケート調査の結果を用いて,居住地・目的地の交通利便性属性別の自動車分担率を計算し,移動軌跡に自動車か否かの属性を紐づけ,自動車走行距離を算出し,原単位を乗じることで,乗用車CO2排出量の推計が可能になった.さらに,このモデルを異なる人口分布に適用し,人口分布の違いによる交通行動の変化を定量的に評価した.
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