今年度は前年度に遂行していた国際貿易データ推計について、将来シナリオの多様性を考慮に入れた改変を行った。 貿易データ推計において、入力する貿易データの接続を改良するための前処理、各国の経済的側面よりも技術革新やそれに伴う温室効果ガスによる予測寄与を大きくするための説明変数の変更を行った。また、推定した貿易量をもとに、資源直接投入量の算出を新たに実施した。推定した貿易量を金属含有量に換算し、対象とする元素の貿易フローをもとに各国の将来産出量を推定した。産出量推定結果と貿易量推定結果を合わせて、シナリオ・各金属元素ごとに資源直接投入量を算出した。元素ごとのDMIの将来推移を比較した結果、温室効果ガス削減目標が厳しくなるにつれ需要が増える元素と2100年までの間に需要動向が変化する元素があり、2100年までの間に資源利用において、リサイクルも含めた使用バランスが変化する可能性が示唆された。
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