研究課題/領域番号 |
16K16250
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
青木 美紗 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (50721594)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 倫理的消費 / 農産物消費 / 消費行動 / 農産物直売所 |
研究実績の概要 |
農産物の消費行動において地域社会や環境に配慮した倫理的消費への関心が高まっている。しかし、消費者の多くは、倫理的消費を実現したいという意思がある一方で、情報不足や高価格などが倫理的消費行動を抑制する要因となっており、実際に購買行動を促すためには情報や入手できる環境の整備などの文脈要因が必要であると考えられている。そこで、本研究は、環境に配慮した地場産の農産物に限定して購入特典を提供することによって倫理的消費を拡大させている実例を研究対象とし、消費者の意志と行動を分析することによって、農産物の倫理的消費を促す文脈要因を明らかにすることを目的としている。 平成28年度は、消費者行動に関する理論の整理をおこなった。先行研究や理論に関する文献を調査し、消費者の購買行動における購買意志と購買行動のギャップについてまとめた。これらの先行研究をもとに、消費者アンケート調査で用いるアンケート票の作成と印刷および発送に向けた準備を実施した。 同時に、本研究で実施する消費者アンケート調査の対象となる、大阪府東大阪市内に位置する農産物直売所および東大阪市担当部署と、アンケート調査の実施に向けた打ち合わせを数回実施した。研究計画では、当初、9月下旬にアンケート票を配布する予定であったが、先方の都合や、より多くの消費者に配布することを考えると、農産物の販売量が多い、初夏に実施するほうがよい、ということになり、アンケート票の配布は次年度に持ち越すこととなった。より多くの消費者を対象とすることで、倫理的消費行動の文脈要因をより明らかにできる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では、アンケート票の配布を28年度の秋に実施する予定であったが、対象とする農産物直売所の都合と、より多くの消費者にアンケートに回答してもらうために、先方との相談の結果、29年度初夏に実施することとなったため、半年程度の遅れとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
29年度6月上旬にアンケート票を配布し、8月~10月にデータ入力作業、11月以降にデータ分析を開始する予定である。分析でき次第、結果を論文としてまとめることを検討している。また、アンケート調査の内容をもとに、農産物の倫理的消費における文脈要因を明確にするため、インタビュー調査を実施する計画であり、インタビュー調査対象者の選定や実施計画を作成する予定にしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象とする農産物直売所および自治体との打ち合わせの結果、アンケート調査票の配布が計画より半年程度遅れることとなった。そのため、アンケートを配布するために必要な人件費を使用できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
29年度6月上旬に、アルバイトを雇ってアンケート票を配布する予定にしている。これによって28年度に計画していた予算をすべて執行することができる。
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