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2016 年度 実施状況報告書

布の賦形性と曲面形成技術を考慮したなめらかな曲面を持つ衣服設計と評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K16255
研究機関信州大学

研究代表者

金 キョンオク  信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (30724885)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード布の賦形性 / 曲面形成技術 / なめらかな曲面を持つ衣服設計
研究実績の概要

本研究は,しわなくなめらかな曲面を持つ衣服の合理的な設計技術の構築を目的とする.そのために織物の賦形性(しわなく曲面を形成する能力)と衣服の曲面形成技術の関係を調べる.
織物の賦形性の評価方法として,織物の曲面形成能の評価法として球面をしわがないように包める布の面積を測定する方法を新たに考案した.考案した方法を用いて,織物の曲面形成能を測定し,織物の力学的な特性および構造との関係を検討した.
織物で球面を覆う際に、織物は斜め方向に伸長(せん断変形)する.しわが発生する最小のせん断角度をθmaxとして曲面形成能の指標として用いた.θの測定を容易にするために,球冠の底面半径rとθの関係を算出し,織物がしわなくカバーできる球冠のrを測定する装置を作製した.実験には織組織や目付の異なる19種類の織物を用いて各生地のθmaxを測定した.また,生地の力学特性としてせん断特性,引っ張り特性,曲げ特性,圧縮特性,表面特性を測定した.測定したθmaxと布の力学特性、構造特性との関係を調べたところ,曲面形成能と,厚さ,結節点密度,せん断剛性との間に高い相関が得られた.重回帰分析を行い,これら3つの特性を用いて,新たな曲面形成能の予測式を提案することができた.この結果をTextile Research Journal誌に論文発表した.
また,なめらかな曲面を持つ衣服として,ドレスを選定し,3Dスキャンを行い,モデル化と分析の準備を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

織物の賦形性(しわなく曲面を形成する能力)の評価方法を検討し,新しい評価方法を提案することができた.提案した方法と織組織や目付の異なる19種類の織物を用いて,織物の曲面形成能を測定し,織物の力学的な特性および構造との関係を明らかにした.研究成果を論文として発表できた.

今後の研究の推進方策

なめらかな曲面を持つドレスの3Dモデル化を行うとともにパターンを取得する.3Dモデルから各部の曲面形成に必要なひずみ量を算出する.必要なひずみ量からくせとり時に必要な操作と変形量を定式化する.それをもとに,平織,綾織,繻子織の生地を用いて,同じくせとり作業を行いドレスを製作する.そのプロセスで,くせとりの定式化の方法を検討する.また,織物の賦形性をH28年度に提案した方法で測定し,衣服の曲面形成への適用性を明らかにする.

次年度使用額が生じた理由

予定した金額より安く物品が購入できたため,次年度使用額が生じた.

次年度使用額の使用計画

次年度使用額はH29年度の請求額と合わせて,消耗品購入に使用する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Measurements and prediction of fabric surface fitting ability under low tension2017

    • 著者名/発表者名
      KyoungOk Kim, Tomoya Suzuki, Masayuki Takatera
    • 雑誌名

      Textile Research Journal

      巻: - ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1177/0040517517700201

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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