研究課題/領域番号 |
16K16256
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
朱 春紅 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (80773100)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 三次元テキスタイル / スペーサファブリック / クッション性 / 耐衝撃性 |
研究実績の概要 |
三次元構造のスペーサファブリックの設計について研究を行った。新たな三次元構造のスペーサファブリックの設計方法を提案し、そのシミュレーション及び製織について検討した。提案した三次元構造のスペーサファブリックは、「(n+1)-n」層の中空構造で、各パーツのたて糸、よこ糸の本数を数式で表し、最小リピートとして必要なたて糸、よこ糸の本数を求めた。また、数式からスペーサファブリックの層の数を増やしたり、減少したり、スペーサのサイズを大きくしたり、小さくしたりすることが簡単に実現できた。Digital Fabric System(DFS)をもちいて、提案した構造のシミュレションを行った。その結果、一定のパラメータに設定すると、中空構造を確認することができた。その後、ジャカード織機を用いて製織を行い、スペーサ構造を確認することができた。現在製織したスペーサファブリックを用いて、複合材料の製作を行い、今後その力学特性の評価を行う予定。 本研究の研究成果について、平成28年9月20ー21日の日本繊維学会秋季大会において「ジャカード織機を用いた中空構造三次元織物の設計方法」と題する研究発表を実施した。また、インドのIIT Delhiで開催された国際会議44th Textile Research Symposiumにおいて「Design method for hollow structure three-dimensional woven fabric」と題する研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書の研究実施計画に記載した研究内容のクッション材用三次元構造の設計について、ほぼ予定通りに進捗しており、スペーサファブリックの設計方法を提案し、実機にて製織も行った。これらの成果は学会での研究発表2件を行った。 一方、設計した構造を用いて複合材料を作製する際、樹脂の選択等を含め、更なる検討が必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は提案した三次元スペーサファブリックの複合材料化及びその耐衝撃性の計測、評価について検討を進める。中空サイズを変更し、または層の数を変更し、その耐衝撃性挙動について検討を行う。また、提案した構造はクッション材として使用可能かどうかについて研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだよりも安価に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度請求額と前年度未使用額をあわせて三次元ファブリックの複合材料の作製や性能評価について必要な材料、試薬などを購入する予定である。
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