本申請研究は三次元構造のスペーサファブリックの設計方法及びそのクッション材としての応用の可能性について着目して研究した。 平成30年度本研究は提案したテキスタイルを製織し、その製織パラメータが材料のクッション性に及ぼす影響を検討した。設計したテキスタイルは、層の数を3、4、5の三段階にし、中空のサイズも三段階にした。ポリウレタンポリマーを用いて複合材料の作製を検討した。最後に、圧縮特性を用いて、複合材料の厚さの80%までの圧縮特性を解析し、層の数と中空のサイズの影響を検討した。その他、断面が波構造や蜂の巣構造織物の検討も行なった。 最終年度の研究成果として、平成30年6月1日~2日に大阪にて開催された「日本繊維機械学会 第71回年次大会」にて口頭発表した。また、学術論文1編がTextile Research Journalに掲載された。 本研究は中空構造三次元テキスタイルの設計、製織を検討し、一般の織機でも製織可能な構造について検討した。さらに、三次元テキスタイルを複合材料にし、その圧縮特性を検討した結果、層の数や中空のサイズが圧縮特性に大きな影響を与えることが分かった。この結果により、三次元テキスタイルを用いたクッション材料を開発する際、求められたクッション性の用途によってテキスタイルの設計を行うことが重要であることが分かった。 今後の研究展開に関して、多様な三次元テキスタイルに関する検討が必要だと思っている。今回は円形を中心として、波形、蜂の巣の製織も検討したが、クッション性として考えられるその他の断面形状を検討し、クッション性に影響する要因を明らかにすることが一つの課題である。また、Solidworksなどのシミュレーションソフトウェアを用いて、シミュレーションを検討することも必要である。
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