炊飯直後の米の表面は滑らかで光沢があるが,冷蔵保存するとその光沢は失われる。本研究は,冷蔵保存中の炊飯米表面の構造変化を定量的に捉え,光沢が減少するメカニズムを明らかにすることを目的とした。SEM画像の解析から,冷蔵保存中の炊飯米表面には数百nmの大きさの凹凸が生じていた。SEM画像からフラクタル次元を算出することで,表面構造の変化を定量的に評価でき,その変化は光沢と相関があった。XRD測定から,冷蔵保存開始初期から澱粉の再結晶化が進行し,さらにSAX測定から,冷蔵保存時間の経過に伴い凝集体が形成され,成長していくことが示唆された。このことが表面形状の変化に影響していると推定された。
|