研究課題/領域番号 |
16K16280
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
酒寄 信幸 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (30747457)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 多価不飽和脂肪酸 / 不安 / オープンフィールド試験 |
研究実績の概要 |
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は主にn-6とn-3に分類されるが、多くの国々においてn-6 PUFAの摂取過多、n-3 PUFAの摂取不足が問題視されている。本年度においては、マウスのn-6 PUFA高含有/n-3 PUFA低含有(高n-6/低n-3)飼料摂取が不安行動に及ぼす影響をより詳細に解析した。 マウスにコントロール飼料または高n-6/低n-3飼料を投与し、成体に達した後に不安行動を解析した。昨年度、200ルクスという照度の低い環境においては、オープンフィールド試験における不安行動に群間差は見出されなかった。本年度はより解析時間を延長し、オープンフィールド試験を3日間連続で60分間実施した。また、新規環境における不安行動の変化を経時的に評価するため、5分毎に解析を実施した。すると、1日目の最初の5分間および2日目の最初の10分間において、高n-6/低n-3飼料投与群に不安行動の増加が認められた。これにより、高n-6/低n-3飼料摂取によって惹起される異常な不安行動は、新規環境に暴露されたことによって引き起こされたことが示唆された。なお、総移動距離には群間差は見出されず、運動量には影響がないことが分かった。 続いて、新規環境に暴露された際の細胞外ドパミン量を経時的に計測するため、マイクロダイアリシス法と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による解析を実施した。本年度においては、高濃度カリウム溶液を灌流させ、ドパミンの放出が誘導されることを確認した。これにより、マイクロダイアリシス法とHPLCによる解析が実施可能な状態になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していたマイクロダイアリシス法とHPLCによる評価系を確立できたものの、発生解析に遅れが見られている。これは発生解析に必要な実体顕微鏡の光源が故障したことによるものである。現在は修理が完了しており、発生解析にも着手している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は中脳の発生解析を中心に行う。また、今年度に確立したマイクロダイアリシス・HPLCの解析も引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
発生解析に必要な実体顕微鏡の光源が故障してしまったため、発生解析が遅延し、抗体を購入しなかったため。次年度に行う発生解析に必要な抗体の購入費用に充てる。
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